枝野が経産大臣に内定

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菅内閣官房長官だったのだから、岡田と同じくしばらくは浪人しているのかと思いきや、いきなり抜擢された感じだ。もっとも数日で辞めることになった鉢呂があまりにもしょうもなかったからいたしかたないか。
しかし鉢呂という人、人間的にはたぶん悪い人じゃないのだろう。旧社民党出身で農政族である。なんでこういう人を原発問題に対峙している経産大臣にもってきたか。それが適材適所かとも感想をもったけど、ある意味民主党にも野田にもなにも期待することがなかったので、軽くスルーしていたのだが。
しかしあの問題発言とやら、まず「死の町」についていえば、別に不謹慎でもなんでもないだろう。実際原発から20キロ以内はおよそ人が住める状態ではないのだし、さらにいえば福島原発の現在の状況からすると、短期間に人が住めるなんてことも考えられないのである。早い話原発事故によって「死の町」が現出されたというのは実感としてもまさしくそのとおりなのだと思う。それを住民感情に配慮うんぬんは、単なる取り繕いだろう。
しかし例の「放射能つけちゃうぞ」はあまりにもなんというか、幼稚的というか。まあギャグとしてもいま一つだし、現に風評として放射能被爆者を差別する風潮すら生まれつつある中では、少なくとも分別ある大人の発言とは思えない。百歩譲って、親しい記者へのオフレコ発言であったとしても、たぶんあまりにも不謹慎というか。まあ早い話、小学生以下のギャグセンスだと思う。発言のTPOを含めて、鉢呂氏は政治化辞めることを勧めたい。いや一般市民としても、ちょっとブーである。
そして新任の枝野である。この人は結果として東電、経産省の役人にだまされて、言わされたのかもしれないが、虚言的政府発表を主導した人である。彼の「ただちに健康に被害はない」発言でいったいどれだけの市民が被爆させられたのか。
政治家は常に結果責任で問われるという意味では、ある意味万死に値する政府発表を続けてきたのである。残念ながらそのことを総括することなく、経産大臣の任にあたるのは許されがたいことだと思う。どうせまた役人のシナリオ通りの嘘に塗り固めた原発事故の終息に向けた対応とかをくっちゃべるのだろう。そして停止中の原発の再稼動とかも始めるのかもしれない。