東京事変〜「大発見」

大発見

大発見

  • アーティスト:東京事変
  • 発売日: 2011/06/29
  • メディア: CD
CMとかでけっこう流れていて、気に入ってもいたのでTSUTAYAで借りてきた。いいアルバムである。で、東京事変ってどういうバンドだっけと聴き入っていて思った。そうだよ、椎名林檎だった。アホみたいなことだけど、すっかり失念していた。
おまけにだ、彼女がここのところ資生堂マキアージュのCMやグリコのウォータリングキスミントのCMに出ていることも全然気づかずにいた。マキアージュは例の「一度だけ ライク・ア・ヴァージン なんちゃって」というやつだね。どこぞの魅力的なモデルさんと思っていた。ウォータリングキスミントは水の入ったバケツくるくる回す遠心力のやつ。
いつのまに椎名林檎はこんなモデルさんみたいになってしまったんだろう。もともと美人は美人だけど、なんつうか情念とか、エキセントリックとか、そっち系がウリだったはずなのに。しかも30超えで子どももいるはずだった。
まあここ数年はほとんどきちんと聴いていないし、関心の範囲外だった。デビューした頃はそれこそ「本能」だの「ギブス」だのけっこう聴いたんだけどね。たぶん10年くらい前のことになるのだろうか。
しかしかくも綺麗に変身されちゃうと、もうおじさん的にはついていけないな〜と、そんな感慨がみたいな感じである。
とりあえず「大発見」を通して聴く。それからYoutubeで最近のPVとか見る。なんつうか大変貌的である。音楽がなんつうかえらくコンセプチュアルである。容姿についていえば、これはtwitterにも書いたけれど、「確信犯的に自分を美しく変身させることを楽しんでいる。元々コスプレみたいなことをやってきた人だけど、女としてのなんつうか、覚醒みたいなイメージだろうか」みたいな感じである。
トミー・フェブラリー風だったり、30年代フラッパー風だったりして、とにかく楽しい。そしてたいへん魅力的である。音楽の才能に溢れ、容姿も秀でている。そういう女性が自身を磨き、着飾り、自分の美貌を十分に楽しんでいる。なんかもう無敵な感じである。こういう女は強いね。聞けば、バツイチで子持ち。恋はするけど、基本的に男に依存しないタイプなんだろうか。まあパフォーマンス、表現、ようはアーティストとしての自分がなによりも優先されるのだろうか。
今回のアルバムの中では、CMにも使われていて、たぶん売りに走った曲なんだろうけど「女の子は誰でも」がやっぱり一番好きである。40年代のアメリカン・ポップス、ジャズテイストに溢れた曲である。古いスタイルの再構成、再解釈みたいなことなんだろうけど、とにかく心地良い。今日はもうずっとこれ1曲である。