地震

とにかく驚いたよ。後で報道とかで確認すると鶴ヶ島近辺は震度5弱ということだったらしいのだが、体感では5強、あるいは6はゆうに超えているんではという感じだった。
事務所にいて揺れを感じ、それがいつもよりも長く、さらに強いと思うと同時に、これはやばいぞと直感した。すぐに周囲の者に外に出るように指示を出す。一応一番上だからね。さらに隣の部屋で、まだ電話対応とかしている者にもやや強い口調で、すぐに電話を切って退去するように指示を出す。義務感、使命感で電話対応しているのだから、ある意味えらいやっちゃということなんだが、事が事だから、踏ん切り悪いぞみたいな感覚だな。「お前は木口小平か」みたいな突込みを内心ぶつぶつ。
一応、全員事務所から退去させて、最後に出る。ガタガタと揺れているから、もう内心ヒヤヒヤものである。屋外に出ると倉庫からも続々と人が出てきている。現場責任者が大声で残っている者がいないかと叫んでいる。
周囲を見回すと、近隣の建物もかなりの揺れ方で、今にも倒壊するのではという感じである。さらにやや遠めにある3棟建てのマンションが半端なく揺れていて、それこそ棟と棟とがぶつかり合って大きな音を出している。後で聞いたら、それはそれでなんかそういう構造になっているのだとか。
揺れがやや落ちつくまでに5分かあるいはもう少しかかっただろうか。その時間の長かったこと。みんな口々にこれだけの地震は生まれてこのかた初めてと話し合っている。自分にしてもそうだ、齢50をゆうに越しているが、これだけの揺れは本当に初めてだ。
とりあえず落ち着いてから事務所に戻ると、けっこうひどいことになっている。ファイル類が落ちていたりもする。びっくりしたのは私の机の上にあるPC、ハードディスクが床に落ちていたこと。やれやれ。とりあえず机の上に上げて、中身が大丈夫か確認しようとする矢先に余震なのか、また揺れが襲ってくる。あわててまたみんなを外に出し、自分も外に出て。
その余震だかなんだかが去ってからも、断続的に揺れがやってくる。これはもう仕事にならんだろうと思い、またパートの何人からも、「家が心配」「子どもが一人で留守番している」などという声が出ているので、即決でパートを返させる。業務も今日は難しいだろうという判断から中止にする。1〜2名、駅まで電車が動いているか見に行かせるも、案の定電車も動いていない。帰宅難民という言葉が頭の中に浮かんでくる。
倉庫内に入ると、思ったほどひどくはないが、それでもところどころで商品が散乱している。これからのことを思うと暗雲垂れ込み。
子どものことも気になったので、とりあえずいつもよりは早い時間帯に帰宅した。会社の状況からして、木造一戸建ての家だから、かなりひどい惨状を予想していたのだが、家の中はほとんど被害なし。自室の高い本棚とぎゅうぎゅうに詰まった書籍やCD類も一切崩れていない。唯一子ども部屋の教科書類が散乱したのみ。これにはいささか拍子抜けする思いだった。