アジア・カップ

いや〜。とりあえず良かったよね、優勝。
http://www.asahi.com/sports/update/0129/TKY201101290354.html?ref=reca
どっちが勝ってもおかしくないような試合。実力的に互角、フィジカル、玉際の強さでは圧倒的にオーストラリア、テクニックでは日本みたいな感じだっただろうか。
ザッケローニの采配はある意味、妥当だったと思うが、交代一つとっても、きっちり意図が感じられ、しかもそれがきっちり効果を出していた。そういう意味では、これぞベンチワークといっていいかもしれない。
リンクをはった朝日の記事では交代によりシステムを4バックから3バックに、うんぬんとあるけど、これはどう考えても間違い。システムは4バックのままだったでしょう。
あの交代は、初先発ながら今ひとつフィットしない中盤右の藤本をアウト。センターバックで空中戦に強い岩政を入れて、今野を右のサイドバックに移行させた。あれにより、とにかくケーヒルキューエルというヘッドに自信をもっているFWめがけて放り込みを徹底させるオーストラリアの攻めに対するケアができた。岩政の起用によってオーストラリアの放り込みをある程度きっちり跳ね返すことができた。
さらに長友があがった裏をつかれることが多かった部分をサイドに回った今野がきっちり抑えることで、オーストラリアの右サイドからのセンタリングもある程度封じることができた。そして左サイドのアタッカーに転じた長友は、何度もサイドから仕掛けたし、最終的にはそこから決勝点が生まれた。
中盤を一人下げてセンターバックを入れることで、これほどの効果的な戦術変更が行われた。素晴らしい意図性に溢れた交代ではなかったか。これぞベンチワーク、これぞ一流監督の交代戦術というやつだと思ったね。まあ結果オーライなのかもしれないけれどね。
そして最後に、李の決勝ゴール。彼もまた交代選手である。ワントップとして前線で動き回り、セットプレー時にはクロスボールへの守備へと、活躍した先発の前田は、相当に疲弊していた。延長に入ってそこに生きのいいFWを投入。そこに最後ビッグチャンスが回ってくる。
あのゴールは美しいダイレクト・ボレーだった。ただしあれだけフリーで撃てれば、それは決まるだろうという気もしないではないが。でもあれを常に決めきれないできたのがこれまでの日本代表だったわけ。そういう意味じゃ、李のシュートを含めて、代表チームは一皮向けたと、本当にそういう風に思う部分もある。
とにかく素直にこの優勝を喜びたいと思う。今大会の代表はけっこう苦しみながら勝ち上がってきた。こういうのが優勝するチームなんだろうな。とにかく負けない、泥臭かろうが、なんだろうが後半最後のワンチャンスで追いついたり、逆転したり。PK戦も相手チームの自滅に助けられる、などなど。こういうツキを何度も引き寄せるのが優勝するチームだということ。
なにはともあれ、代表万歳!!