ゴーゴー、モンキーズ(The Monkees)

先日「スマスマ」を観ていたらあのデイビー・ジョーンズが出演していた。「パイレーツ・オブ・カビリアン」のタコ船長じゃないぞ。60年代後半に一世を風靡したモンキーズのメイン・ヴォーカリストだ。懐かしい。単なる偶然かもしれないけど、その少し前に無性にモンキーズが聴きたくなって、早速近所のTSUTAYAでゲットしてきた。いわゆるベスト盤だ。そしてここのところけっこう豆に聴いてみている。

Greatest Hits

Greatest Hits

  • アーティスト:Monkees
  • 発売日: 1995/10/24
  • メディア: CD
いや〜、懐かしい、本当に懐かしい。このベスト盤に収録している曲のほとんどを覚えている。あまつさえその何曲かはほとんど歌詞すら覚えている始末でけっこう口ずさめる。曲目リストはざっとこんな感じだ。

1. (Theme From) The Monkees
2. Last Train To Clarksville
3. I Wanna Be Free
4. I'm A Believer
5. (I'm Not Your) Steppin' Stone (Single Version)
6. Mary, Mary
7. A Little Bit Me, A Little Bit You
8. The Girl I Knew Somewhere
9. Randy Scouse Git
10. Pleasant Valley Sunday (Single Version)
11. Words (Single Version)
12. Daydream Believer
13. Goin' Down
14. Valleri
15. D.W. Washburn
16. It's Nice To Be With You
17. Porpoise Song (Theme From 'Head') (Single Version)
18. Listen To The Band (Single Version)
19. That Was Then, This Is Now
20. Heart And Soul

しかしモンキーズといっても、ある年齢以上、ようは1960年代に物心ついていた人間、ようは相当なおっさん、おばさんでないと反応しないだろうとも思う。どんなバンドかというと、ようは当時一大ブレイクしていたビートルズに対抗すべく、アメリカでオーディションによって選ばれたメンバーによって作られたポップ・ミュージック・バンド。メンバーそこそこに可愛く、今日的にいえばそうだな、ジョナス・ブラザースみたいな感じか。日本でいえばまさしくジャニーズ系みたいなものか。
モンキーズ - Wikipedia
ウィキの記述にもあるように、モンキーズのオーディションには後にスター・ミュージシャン、ビッグ・ネームがけっこう含まれていたりする。ポール・ウィリアムス、スティーブン・スティルス、スリー・ドッグ・ナイトのダニー・ハットン、ジョン・セバスチャン、ヴァン・ダイク・パークスなどなど。音楽で一山あてようという野心いっぱいの若きタレントたちだったということか。
私がモンキーズを知るようになったのは一にも二にも、例のテレビ番組「ザ・モンキーズ・ショー」だ。
ザ・モンキーズ (テレビドラマ) - Wikipedia
TBS系列で放映されていて、なぜかナレーションが大橋巨泉だった。この頃の彼はジャズ評論家で、欧米のポップ・ミュージックやサブ・カルチャーに詳しい、えたいの知れないタレントだったんだな。
この30分の番組はドタバタコメディでとても面白かった。たぶん小学校の高学年だったと思うが、毎週楽しみに観ていた。当時からこういったドタバタが大好きだった。そして挿入される彼らの曲目も心地よく、楽しかった。「モンキーズのテーマ」「恋の終列車」「アイム・ビリーバー」といった「自由になりたい」といったヒット曲ももちろん好きだったが、それ以外にもけっこうマイナーぽい曲も好きだった。「(I'm Not Your) Steppin' Stone」の今ならお笑いみたいなイントロのコード進行も気に入っていた。ミッキーが「Randy Scouse Git」のミュージック・クリップではミッキーは歌いながらティンパニーを狂ったようにたたいていて、それが妙に印象的だった。
個人的には一番好きな曲は「Pleasant Valley Sunday」 と「The Girl I Knew Somewhere」の2曲だ。いずれもイントロのギターが印象的だ。モンキーズは演奏ができない、口パクと非難されることが多かった。実際ほとんどの演奏はスタジオ・ミュージシャンたちがやっていたのだろうとは思う。しかし後に独立したマイク・ネスミスが結成したファースト・ナショナル・バンドとかの演奏とかを聴いていると、けっこう乾いたカントリー系のいいギタープレイをしていたようにも思う。「シルバー・ムーン」なんて曲もあったよな。そういう意味じゃ、けっこう彼の個性とかも活かされていたんじゃないかとも思う。
今こうやって通してベスト盤を聴いていると、まさに60年代ポップスの王道をいっているとも改めて思う。サイケ調あり、モータウンぽいものもあり、カントリー・フォークあり。みんな心地よい。60年代のグループサウンズが見事に体現されているな〜と思ったりもする。
1966年結成で解散したのが1970年。正味4年、一気に駆け上がったものの終息も早かった。作られたバンドだけに人気に陰りが出たら一気に撤収という感じか。まあ仕方がないなとも思う。それでも現在でもこうやってベスト盤を聴くことができるのである。有難いことだ。
解散してからすでに40年を経過している。海を越えた東洋の地でもこうやって覚えているファンがいて、CD聴きながら口ずさんだりしている。そういう意味じゃけっこう良いバンドだったんじゃないかなどとも思う。きわめて個人的な思いとして。