ミア・ファロー


ミア・ファロー - Wikipedia
キャリアの長い女優さんである。この人を評するときには、必ず枕詞のようにエキセントリックなという言葉が使われる。風変わりなとか一風変わったとか、そんな意味合いだろうか。
実際、若い頃は華奢で繊細、けっして美人ではないけれど、印象に残るというイメージの人だった。
ここ20年くらいの彼女はウッディ・アレンとの公私に渡るつきあいの中で語られることが多いのだろう。アレンのほとんどの映画で重要な役柄を演じている。プライベートでも生活を供にしていた。その後、アレンが彼女の養女と付き合うというスキャンダルもあり、それがセンセーショナルに取り上げられたこともあった。
ミア・ファローとスキャンダルはなんとなく馴染めない部分かもしれないが、元々この人はけっこうお騒がせである。
映画監督と人気女優の子女という出自。21歳で当時大御所だったフランク・シナトラと結婚。すぐに離婚した後、クラッシクで売り出し中のアンドレ・プレヴィンと結婚、双子を出産などなど。
確かマハリシ・ヨギの超越瞑想とかにかぶれていた時期もあり、ビートルズのインド旅行の時にドノバン達と動向している。彼女がマハリシの煩悩の対象にならなかったかどうかは定かではない。
インド旅行の前後で彼女がビートルズのメンバーと恋仲にでもなっていたら、それはそれで楽しいエピソードかもしれない。
まあ容姿もそうだが、ある意味行動もエキセントリックな人なのだろう。
役柄としても彼女の存在感が際立っていたのはやっぱり「ローズマリーの赤ちゃん」だろうか。この映画のDVDがなかなか手に入らない。40年近く前に観た時の覚束ない印象としてもけっこう強烈に残っている。恐怖映画としてはある種群を抜いていると思う。ポランスキーの傑作の一つ。個人的には夫役のジョン・カサベテスの表情が一番怖い。
他では「ジョンとメリー」とか「華麗なるギャツビー」のデイジーとか。そして彼女の最高傑作はといえば、多分「フォロー・ミー」だと思う。名匠キャロル・リードの佳作。この映画も懐かしい一作である。TSUTAYAとかでも見たことがないので、おそらくDVD化されていないのではないかと思う。ググってみると、間もなく発売になるという。予約してしまいたい衝動にかられる。
妻の浮気を疑い私立探偵に妻の行動を監視させる男。毎日ロンドンの町を彷徨する若い妻役のミア・ファローが初々しくて、なんとも魅力的だった。そして探偵役トポルの面白さ。あの映画も一言でいえばエキセントリックということになるのだろうな。
ミア・ファローに、エキセントリックに乾杯である。

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  • 発売日: 2010/11/26
  • メディア: DVD