ナイル殺人事件

HDMIケーブルでDVDがより綺麗に観れるかもということで早速観てみたのが、これ。
つい最近観た同じアガサ・クリスティ作品の映画化『オリエント急行殺人事件』に次ぐもの。
これも劇場で観た映画である。1978年、いったいいくつの時だろう。たぶん、たぶん大学生の頃だっただろうか。『オリエント』と同様オールスターならぬオールドスターキャストの豪華大作である。ベティ・デイビスアンジェラ・ランズベリーマギー・スミス、ジョン・フィンチ、ジョージ・ケネディ、デビッド・ニーヴンとなんとなく『オリエント』に比べて、やや小粒な印象。
我らがエルキュール・ポワロはなんとピーター・ユスティノフである。人によっちゃ『オリエント』のアルバート・フィニーのほうが雰囲気だしているという。たぶんそっちのほうが多数派かもしれん。でもアルバート・フィニーのそれはどうにも鼻持ちならない。原作により近いキャラなのかもしれないが、私なんぞはピーター・ユスティノフのほうがはるかに好感がもてる。
ピーター・ユスティノフというと私の場合は一にも二にも『黒ひげ大旋風』である。痛快な映画だった。
黒ひげ大旋風 [DVD]

黒ひげ大旋風 [DVD]

  • 発売日: 2005/12/21
  • メディア: DVD
子どもの頃に父と観て大好きになった映画である。DVDを入手して子どもにも観せたが、当時小学生だった娘も大喜びしてくれた。1960年代にディズニーが製作したややB級の楽しい映画だった。以来、ピーター・ユスティノフといえば、イコール「黒ひげ」である。
その黒ひげ演じるポワロである。かなり違和感ありげではあるが、私は好きである。とにかく感情移入できる役者さんなのである。
しかし映画としての『ナイル殺人事件』はというと、正直少しゆるい、というかかったるい映画であることは否めない。映画の内容はこのへんが詳しい。
http://homepage2.nifty.com/kiriko/movies/death_on_the_nile.htm
監督のジョン・ギラーミンは「タワーリング・インフェルノ」や「キング・コング」の監督さんである。大作、パニック映画系の人である。いや、あったというべきか。こういう人が撮ると、緻密な推理モノをどうさばくかというと、ようはこういう映画になるという見本がこの作品である。よくも悪くも大雑把である。とはいえ、きちんと見せ場、見せ場を作る。大スターをきちんと撮る。テンポもけっして悪くない。とりあえず楽しめる、娯楽作品。そういう映画なのである。
オールスター映画ならではの演出という感じだ。しかし映画の質としていえば、それはちょっと、う〜んという感じの映画ということである。
それでも今回30数年ぶりに観返してみて思ったこと。とにもかくにもこの映画はミア・ファーローの圧倒的な存在感でもっている映画である。美人女優や他にも沢山出ている。当時、ボンド・ガールとして売り出し中のロイス・チャイルズや歌手として活躍する間際の頃のジェーン・バーキン。「ロミオとジュリエット」で日本では絶大な人気があったオリビア・ハッシーなどなど。
それでもこの映画ではミア・ファローの美しさが群を抜いていると思った。
本棚を探すと公開当時のパンフも残っていた。30年以上の昔のパンフを眺めているのも楽しい。