久々の海水浴

14日は一日、ホテルの前の海岸で水遊びをして過ごした。とはいえ台風の影響か、風がやたらと強く、砂が風に舞い上げられてきて、体に当たる。これがけっこう痛い。あちこちで小さな子どもが泣き出すような、そんな悲惨なビーチ風景なのである。
それでもあまり風がこないような場所を探して、そこにピクニックテーブルやビーチパラソルを設置。とりあえず缶ビールを飲みながらと、昔よくしたような海水浴のパターンである。
途中で、娘と二人で浜辺や磯で水遊びをした。その間妻は留守番である。その後で、今度は妻を連れて浜辺へ向う。手を引いて、ゆっくりと水の中に入ってみる。膝のあたりまで水がくると妻は緊張のためか麻痺した左腕がブルブルと痙攣するようになる。それで慌てて波打ち際まで戻る。しかし戻る際には後ろから波がくるので、行きよりももっと慎重にしなくてはいけない。
3年前に大洗海岸で遊んだときにはランディーズという身障者用の水陸両用の三輪車利用することが出来た。
海水浴へ行く - トムジィの日常雑記
そのときにでも少し自力で水の中の入ると同じように痙攣があったりもした。結局なにも変わってはいないのである。
波打ち際に戻ってから、装具をつけた妻をなんとか浜辺に座らせた。すると打ち寄せる波が彼女の体にかかる。彼女はとても気持ち良さそうにしていた。
障害者になっていろいろと制限される生活を送っている妻である。ある意味本当に様々なことを断念しなければならなくなっている。波打ち際に座って、波に洗われるくらいのことしかできないのは絶対に本意ではないだろうとも思う。
後で、そのことをちょっとだけ聞いてみた。あんなことで本当に満足できるのだろうかみたいなことを。彼女の答えは、
「病気になって、行動が制約されるのは本当につらい。でも、それはもうしょうがないことだから。だから、ああいう風に海に入れるだけでも十分満足」
そういう彼女の気持ちに応えるためにも、年に1度くらい、こうやって海を訪れることも必要なんだとも思う。まあ私自身の体が動くうちは、ということになってしまうけれど。