介護保険再認定調査

介護度が3から2に下がったので、ケアマネを通じて区分変更のリクエストを出した。それに基づいての再調査である。
今回来たのは、市の職員で女性の方。なんとなく見覚えのある方だったが、先方からも以前調査でお伺いしたことがありますとのこと。最初、机の上にメモ用のシステム手帳をだし、おもむろにICレコーダーもセットした。たぶんひいただろうなとは思う。
別にテープ起こしなどするつもりも、毛頭ないけど、ようは調査内容がどんなものかきちんと記録しておきたいからくらいのつもりで聞き取りを録音した。もし録音のことを聞かれれば、そう応えるつもりだったが、相手は特に聞いてはこなかった。
聞き取り内容は、妻の障害内容を、介護保険の区分に基づいて、これは出来る、これは出来ない式に聞き取り、たぶんその程度についての区分に○していくようなことなのだろう。
調査の合間に、妻の障害が完全に固定されていること、良くなる可能性がまったくないということを改めて説明した。それなのに介護度を下げるのは、財源不足という点ではある部分しょうがないとしても、まったく納得できないということもきちんと話した。
職員は市としては、財源不足を理由に介護度を下げるということは一切考えていない。逆によりサービスが受けられるように、見落としがないようにという姿勢でいるとも話した。
それならなぜ改善の余地がない障害者の介護度が下がるかともう一度聞いてみる。答えは、たまたま介護度調査の時の調子や、調査員の印象に左右される部分もあるのでという。
また妻のような中年の障害者が利用できるサービスが少ないこと、老人用の施設を利用することで感じるストレスといったことも、いちおう市の職員なので訴えた。とはいえ、相手は一職員である。ただ仕事で訪問調査をしているだけの女性である。それなのに市の代表のようにして対応しなければならないのは、彼女にしてはあまりにも理不尽なことなのかもしれない。
いろいろと訴えていながらもなにか相手に対して気がねする部分もそこそこにはあった。でも、しょうがないことではある。仕事なわけだから、割り切ってもらうしかあるまい。たぶんプロ意識をもった市の職員なんだろうから。
聞き取り調査は1時間くらいかかったと思う。職員との関係もそれほど悪くはなかったと思いたい。先方も妻の状態や、介護と子育て、家事、仕事の一切をしている私のことをそれなりに理解してくれているような印象も感じた。「私にも中学生の娘がいますから」そんな風に自身のことも話してくれた。
これで介護度が元に戻らなくても、それはそれとして受け止めなくてはとも思う。介護度を戻すためにはさらに次のステップで行うことももちろんある。そのやり方も概ね調べてはいる。しかしそのために払う手間隙、時間が自分にあるのかどうか。普通に、仕事をして、家事、子育て、介護のもろもろ。おまけに今は兄の転居のことも抱えている。正直これが一番気がかりなことでもある。
そんなこんなで介護度がそのまま下がったままでも、たぶんそれを受け入れざるをえないのかもしれない。やることはいちおうやった。調査に来た市の職員も悪い人ではなかった。今の介護保険の制度上では、これはいたし方ないことなのかもしれない。様々に抱えるもろもろの事柄から、なんとなく厭世的な気分になりつつある。