東京国際ブックフェアにいってきた

http://www.bookfair.jp/
毎回、行こうかな、でも消耗するだけだろうな、などとも思い行かず仕舞いでいたのだが、今回は気合を入れていってみた。なんでか、仕事が閑職で暇もてあましているってか、いやいや貧乏暇なしですから。それでも今回はなぜに、ディープ埼玉から、湾岸エリア、東京ビッグサイトまで足を運んだのか、まあひとえに電子出版の現在の状況へのあたりをつけておきたかったからである。
当然に真っ先に行ったのは「デジタルパブリッシグフェア」である。iPadの発売とともに、ある意味電子出版元年のごとく喧伝される2010年の今の状況がどんなものなのかを、自分の目で確かめておきたかったということである。そしてさらにいえば、自分のやっている出版物流系の仕事やら、ユーザーサポート業務とかにも派生するような形でのおこぼれ仕事がないかどうかと、そういう部分の邪なリサーチもあったりはするのである。
しかし凄い人である。ウィークデイだというのにえらく人でごった返しているのである。各ブースとも凄い。その中でさらに人を集めていたのはというと、まずはなににもましてGoogle。次はDNPこと大日本印刷、さらにはトッパンあたりだったか。さらにはボイジャーも識者の講演や対談等を売りにしてかなりの集客みたいな感じだったか。
こと電子出版についていえば、ようは出版社のもつコンテンツをデジタル化するノウハウとそれを配信するディストリビューター、さらにはそこらで派生する様々なビジネスのもろもろといったところか。そんでもっての結論、単純に見物したうえでの、あまり根拠のない思いつきだけどの、電子出版のインフラ部分についていえば、これは相当の資金力、技術力がないとやっていけないだろうということ。だからこそ印刷大手の大日本なりトッパンのフラグシッップのもとに出版、書店等が傘下入りしてくるということなのだ。
一方、ディストリビューターはどうか、たぶん当初は群雄割拠みたいな形で様々に出てくるだろう。しかしそれもいずれ淘汰されていくのだろうとは思うわけだ。
それにしても電子書籍の時代になると、出版社でもなく、書店でも取次でもなく、ようは川の上流であるところ印刷会社がメインフレーム的存在になるかもしれないというのはある種驚きでもある。
そのうえで実はこと今回のブックフェアをみた限りではあっても、勝負は決しているのかもしれないという感想もあるにはあるのである。DNPにしろトッパンにしろ、ある意味バラ色というか総花的ではあるのだが、具体的な部分では今ひとつ不鮮明なのではある。それに大して単純明快なのがGoogleなのである。Googleブックスにしろ、その先におそらく展開されるであろうGoogleエディションにしろ、きわめて単純明快な説明なのである。
そしてここからがGoogleの一番凄い点である。ブックスにしろエディションにしろ、コンテンツをもつ出版社が参加するうえでの諸費用部分。出版社のご負担は、たった1冊該当の書籍をご提供いただく限りです。Googleはいただいた書籍のコンテンツを画像として取り込み、そこから電子コンテンツを作り上げてしまう。出版社は本1冊を提供するだけで、Googleの提供するサービスを受容できるというのだ。
もちろん裏ではいろいろとあるのだろう。しかしこれから電子出版に打って出ようとする出版社にはきわめて耳触りの良い文言なのである。
 そして今回は出展していない、いやへたをすると未来永劫、こういう場所に出展することはなさそうな、アマゾンやアップルがどういうことを考えているか、たぶんそのへんで雌雄を競いあうのだろうとも思う。アップルは自ら出展しなくても各ブースで電子書籍のデバイスとして使われているのは、90%ぐらい、ほとんどがiPadなのである。電子書籍のモデルを表現するためのデバイスは2010年7月の時点では確実にiPadであることが証明されているというわけだ。
 アップルはさぞやおいしいと思っていることだろう。出展企業が競い合うようにして、自社のデバイスを宣伝してくれているのだから。とはいえいずれはキンドルも出てくるだろう。来年あたりはiPadキンドルがそれぞれデバイスとして競い合うことになるだろう。
さらにいえばそこに日本のガラパゴス化の証明ともいうべき、携帯電話を利用したサービスやらなんやら。個人的な想像だが、そこには別のベクトルから新しいデバイスも参入するかもしれない。いや新しくて古いデバイスが。
たとえば国民的ゲーム機であるニンテンドーDSあたりをデバイスにした出版コンテンツなんていうのもありじゃないか。情報端末としてはもっとも普及している、それこそ一家に一台的な国民的ゲーム機である。子どもたちの世界では代替わりするなどしている部分もあり、家庭では使われていない一台目とかが埃をかぶっているとかもあるかもしれない。ここらを巻き込んで百家争鳴みたいなことがあるやもしれんと。
うまくまとまらないが、そんなイメージである。そしてどこをどうとっても、うちの会社あたりが太刀打ちというか、落穂ひろいをする余地が残っているのかどうか。現段階ではたった一言で片付けられそうである。「無理、無理」と一言。