Under the Table and Dreaming

Under the Table & Dreaming

Under the Table & Dreaming

午前中に配達される。10日くらい前にアマゾンで注文しておいた品物。アメリカのレコード・ショップからの配送だが意外と早いという印象だ。
デイヴ・マシューズ・バンドの記念すべきデビュー作である。今回はこの1枚とサックス奏者リロイ・ムーアの死去以後に発表された2009年作の「Big Whiskey & the GrooGrux King」の2枚を購入した。もう完全にこのバンドにはまりまくっている。
このデビュー作を聴いていると、所謂デビュー作の初々しさみたいなものは微塵も感じない。いきなりの完成度、なんていうか満を持してみたいな感じである。
1曲目の「Best of What's Around」、ターンテーブルに盤をのせていきなりかかるとそんな表現をしたい曲である。マイナーなブルース調で始まり。バックのアコースティック・ギターとベースのラインがしびれる。それから曲調は転調を繰り返してみたいな感じで続く。けっこう複雑なメロディーラインだと思う。起伏のある複雑なメロディ、それを難なくこなしていくメンバーの技術、一体感、そのへんがこのバンドの特徴かもしれない。
そして2曲目の「What Would You Say」のグルーブ感の高まり。もろにスティーヴン・スティルスばりのアコギのイントロの次に入ってくるハーモニカ。そこにこのバンドのある意味での売りであるカーター・ビューフォードの小気味の良いドラミングが被さっていく。はまる、はまる。この曲あたりを聴いているとマシューズの出自はおそらくCSN&Y、たぶんスティーヴン・スティルスのフォロワーだったろうと確信的に思ってみたりする。
すでに購入した「crash」とこのアルバムは同じ流れにある。ある意味甲乙つけがたいところだな。どちらを良しとするかは本当に好みの問題だろう。本作は1994年のデビュー作だが古さとか当時の時代性とかを感じさせるものはない。演奏はアメリカン・ロックのテイストにジャズやプログレの風味が加味されている。ある種、アメリカン・ロックの王道みたいな感じだろうか。
一聴すると斬新な感じがするバイオリンとサックスとアコギをフロントにした演奏スタイルはすぐに慣れる。バイオリンとサックスは様々な演奏技術を駆使する。特に驚くのはボイド・ティンズレーのバイオリンの奏法だ。あるときはストリングそのままにゆったりと豊かな情感をこめている。あるときはアコギのリフのようなリズミを刻む。そしてまたあるときはプログレロックのギターのような速い、どこまでも速いアドリブをこなしていく。
バイオリンとロックの融合は以前にもいくつかのバンドで試みられているけど、これほどマッチした演奏はなかったんじゃないかという印象だ。このバンドはすごい、たぶんしばらくはまり続けそうだ。