大塚国際美術館再訪2

大塚国際美術館|徳島県鳴門市にある陶板名画美術館
2Fの現代絵画を観終えてから1Fで現代絵画の続きを観る。「ゲルニカ」「秋のリズム」やアンディー・ウォーホールのものなど。それから庭園を横切って別館のレストランで少し遅い昼食をとった。このレストランで食事をとるのは初めてのこと、なんかえらく豪勢な感じ、少々頑張った感じだ。とはいえ意外と安価なうえけっこう美味かった。
私が食べたのはガーデンランチ。メニューによると「美食家といわれたルノワールが愛した南フランスの料理を親族らの協力によって編纂された『ルノワールの食卓』の料理レシピ本を参考に、現代風に再現したランチ」だとか。

肉はポークなんだけど、これがえらく柔らかく美味い。カレーだのうどんだのを頼んだ娘や妻からは羨ましがられ、肉は半分くらい娘に横取りされた。
食事の後はB1の近代絵画。ここはいつも時間をかけているので、今回はのんびりモードで観て回った。前回はエゴン・シーレだのクリムトだのといった、ややもすればオドロオドロ系とか女性の肖像画中心に観たりしたのだが、今回は特に誰かの絵を注視するみたいなこともあまりなかったか。しいていえば、ずっとお気に入りであるスーラの大作2点「アニエールの水浴」と「グランド・ジャット島の日曜日の午後」はその美しさを改めて認識した。特に後者はスーラの点描画の集大成とでもいえるものだろう。光と影を再現するための画家の実験精神が見事な作品として結実している。
この絵は1886年の第8回印象派展にピサロの推薦を得て出展され大きな話題となった作品だという。この作品に対する賛否は大きく分かれ、そのことがきっかけで印象派の画家たちの分裂にまで発展したという話もある。確かルノワール等はこの絵に批判的で、以後印象派展への出展を拒絶するみたいはことになり、結局以後印象派展は開かれることがなかったてなことを何かで読んだように記憶している。
確かにこの絵は古典的な絵画を愛する人々からはえらく奇妙に見えるだろう。「これが絵画か」、「これが芸術か」みたいな否定的な言質もあるかもしれない。しかしこの絵の実験性はまさしく芸術そのものだと思う。大いなる前衛性を備えた絵画だと思う。
この絵のオリジナルはシカゴにあるという。そんな機会はたぶんないのだろうけど、もしアメリカ中西部に行くことがあれば、この絵を観るためにだけでも、シカゴを訪れてみたいものである。