『レスラー』

レスラー スペシャル・エディション [DVD]
DVDをレンタルしてきた。2008年と新しい作品。昨年日本でも公開されてそこそこ評判になっていた。年老いたプロレスラーをミッキー・ロークが演じている。昔からプロレスが大好きだったから、面白く観れるかなと思ったのだが、落ちぶれたロートルレスラーの悲運を描いた作品である。少々陰惨な感もあり、正直痛い映画という印象。まああそこまでしんどくはないが、『ミリオン・ダラー・ベイビー』あたりと共通するものがあるかな。
鍛え上げた肉体がぶつかり合うショー、それがプロレスである。試合にはつねにパターン化されたシナリオがあり、それに沿って進めていく。暗黙の了解が細部にまでいきわたっている世界。そんなことはもはや誰もが知っていることではあるのだけど、こうやってアメリカの片田舎で繰り広げられるプロレスリングのドサ周りの舞台裏をリアルに見せてもらっても、なんのインパクトも実はなかったりもする。
家庭生活も破綻し、家族からも見捨てられた淋しき初老のレスラーをロークが淡々と演じている。好演である。でもだからどうしたという感じかな。人生を感じさせる映画かもしれないけれど、どれもこれもステレオタイプである。正直この手の人生の悲哀的映画には、個人的にはもうお腹一杯みたいな感想である。たぶん、おそらく二度とは観ることはないだろうと思う。