『アップル、グーグル、マイクロソフト』

アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ (光文社新書)
読了する。twitterに書いた短い感想を転載する。

『アップル、グーグル、マイクロソフト』(光文社新書)読了。クラウドの現況がわかりやすく概説されている。とりあえず現況把握には好著だと思う。しかしグーグル、マイクロソフト、アップル。ここではとりあげられていないアマゾン。これらの巨人支配に身をまかせる以外に道はないのかな。

グローバルなクラウドに対抗しうるのはナショナリズムだけじゃないかな。グーグルと表面上喧嘩してる中国のやり方もいい参考モデルになるような気がする。ガラパゴス上等、とりあえず国策クラウド構築という政策があってもいいのではないかと思う。

とにかく100万単位のサーバー集めて北海道あたりにプレハブのデーターセンター作ろう。そこで国と地方のデータぶち込もう。課金のモデルはとりあえず税金徴収あたりからかな。公的モデルをよそ様のサーバーにもっていけないのだから、このあたりから出発してもいいのではと思うのだけど。

民間レベルではグーグルのクラウドに乗っかる方途が一番みたいな方向性が出つつあるということもこの本に書いてあったが、角川歴彦氏の『クラウド時代と<クール革命>』ではないが、国策クラウドという国家プロジェクトは実は必要なんじゃないかと切実に思う。
国内に1拠点、あるいは数拠点の巨大なデータセンターを作り国策クラウドを運営する。そこで行政レベルのコンピュータ処理を集約させる。そうすれば将来的には大幅な行政改革も可能ではないのか。それに伴って徴税や年金等の課金、支払いのシステムを構築する。サーバーの空き領域を民間に利用させる。
巨大データセンターの構築には巨大な電力や一定程度の保守設備も必要になるだろうし、様々な形で雇用、ビジネスが創出させる。新たなニューディールだと思うのだが。少なくとも道路やダムやハコ物よりも21世紀的な公共事業のような気がする。