大塚国際美術館

大塚国際美術館|徳島県鳴門市にある陶板名画美術館
ここも3回目になる。毎回思うのだが、半日やそこらでは時間が足りない。日本最大級の常設展示スペースを有する「陶板名画美術館」だ。古代壁画から現代絵画まで有名な西洋絵画を1000点以上展示している。すべて原寸である。陶板による複製絵画だからといって、オリジナルではないからということで軽んじる人もいるかもしれない。でもたいていの場合、我々は名画をカタログ、美術書で鑑賞するのである。たまに外国に行ってオリジナルに触れる。あるいは海外から輸入した特別展示展で初めて現物を鑑賞する。その場合は半端じゃない混雑の中でたいていの場合、あまり芸術を鑑賞するには相応しい状況ではない。
大塚国際美術館美術書等で複製図版として印刷された絵画を、劣化のない陶板でしかも原寸で鑑賞できるのである。いわばリアルかつ三次元で現出した西洋絵画ガイドなのである。とにかくオリジナルがどうのとこだわってこの美術館の価値を低くお考えの方はとにかく一度いらっしゃって見るとよい。そしてとりあえずシスティーナホール見てみてくださいと、まあそういわざるを得ない。
今回、何気に入館料をよくよく見てみるとこういう感じである。

小・中・高生   520円
大学生     2,100円
一般      3,150円

観光地の美術館としてみるとまあ妥当なのかもしれないと思われるかな。でもここの広さ、展示品の多さなどからすれば、この料金はたぶん相当に安いと思う。さらにいえば、特に小・中・高生の安さはどうだろう。たぶん教育的な意味合いをもっているのだろう。学生さんに安い料金で西洋絵画に触れ合ってもらおうという意図なんだと思う。おそらく徳島県の中学生か高校生は必ず遠足でここ訪れるのじゃなかろうか。大変羨ましいことだと思う。
うちの場合は妻の身障手帳のおかげで妻と介助者の私が半額。これに小学生の娘の分なので家族三人あわせても5000円弱でこのすばらしい美術館を利用できる。妻の障害で様々なものを失ってきたし、経済面、精神面を含めて様々な損失を蒙ってしまった。でもしいていえばこういうプラス面もあるにはあると、まあそういう前向きな考えもないわけではない。障害による差引勘定というかバランスシートは圧倒的に損失超過だ。それはあまりにも明らかだ。それでもこうやって多少なりとも福祉的な恩恵を得ることがあると、正直有難いことだとは思っている。