お盆休みに都内で遊ぶ

去年の夏は北海道へ行ったのだが、今年はだいぶチープな感じでけっこう近場で遊んでみた。
まず最初に行ったのは11日、夏休み初日に六本木へ行ってみた。なぜ六本木か、妻が昔よく私と行ったビートルズコピーバンドが演奏しているライブハウスにどうしてももう一度行きたいとずっといっていたから。とはいえ車椅子の彼女を連れて六本木はちょっと躊躇う部分が多い。都内でもたいていの場所へ行くのは車で。でも六本木で車を停める場所は?ライブハウスなのにノン・アルコールはつらい。
かといって電車を乗り継いで六本木まで行って、酒飲んでから遅くにまた電車乗り継いで帰るのはさらにつらい。車椅子で電車がどれだけしんどいか、地下鉄のエレベーターを探すだけでも難儀なのである。
そんなこんなで妻の行きたい、行きたいを軽く受け流して今日にいたるみたいな感じだったのだが、夏休みに入ることだし、ここはいっちょう頑張ってみるかということにした。それでいろいろ考えたのだが、早い話、車椅子の妻を連れて、さらには小学生の娘も連れて六本木で遊ぶとなると、泊まりがけで行く以外にないという結論に達した。それで六本木界隈で比較的にチープなビジネスホテルはないかとネットで探してみた。条件としては、とにかく安め、できれば最低限バリアフリー、さらにはどうせ車で行くので駐車場が完備しているところ。
でもなかなかそういう条件、特に駐車場完備というのがない。何軒かあたってみてようやく探し出したのがここ。
http://www.pastoral.or.jp/
 ここは以前から知っていた。確か以前務めていた会社が謝恩パーティとか開いたこともある。出版営業やっていた頃だから、取次関係者とかも呼んだ記憶がある。さらにいえば、1〜2回、結婚式でお呼ばれした記憶もあった。だからなんとなくホテルとしても都内のシティ・ホテル並みでけっこうするかなと思っていたのだが、夏の企画みたいなことで3名1室で17000円ときわめてチープなプランがインターネット予約限定であったので速攻予約した。
ここは駐車場完備していて1日1000円みたいなことだったのだが、いざ行ってみると障害者用としてエントランスの脇のスペースを空けてくれておまけに駐車代も無料だったりした。
ここなら六本木までタクシーでワンメーターくらいだし今後も利用したいと思ったのだが、あにはからんや9月の半ばで営業は終了するのだとか。もともと母体というか、ここは農林漁業団体職員共済組合が所有する東京農林年金会館というのが正しい名称だったりもするのだが、営業的にはうまくいってなかったのかもしれない。途中で乗ったタクシーの運転手によるとなんでも森ビルが購入したのだとか。まあこういうことらしい。
「虎ノ門パストラル」売却へ-森トラストが2308億円で落札 - 新橋経済新聞
森ビルが買ったのだとすると、当然ぶち壊して新しいビル建てるのだろう。ヒルズみたいな複合ビルでも建てるのだろうか。ちょっと興ざめだ。
話は脱線したのだが、とりあえず虎ノ門パストラルに一泊することにして一日、都内で遊ぶことにした。最初に宿に行く前、やはり行きたいと言っていた原宿へ行くことにする。なんでも例のフォーエバー21やH&Mに行ってみたいというのである。オバサンなのに、娘と私は白け気味だが一応つきあう。車は東郷会館の駐車場に入れる。フォーエバー21もH&Mもお盆の時期とはいえ、午前中なのにかなり混んでいる。店内は若い娘さんたちで溢れかえっている。五十路のおっさんにはとてもつらいというか、居場所がないところである。
妻はいろいろ見たがっているのだが、とりあえず白けた父、娘は早々に店の外に出たがる。一度原宿駅の方に行ってから竹下通りを歩いてみる。ここもさすが観光地というか、凄い人である。娘もついに原宿デビューかと思い、どうかと聞いてみるのだが、今ひとつノリが悪い。娘曰く「中学生になったら、たぶん友だちと一緒に来てみたい。そうしたらけっこう楽しめそう」だとか。ようはこういう場所は親と来るところじゃないということなんだろうな。
原宿では2〜3時間過ごしただろうか。昼過ぎだったので壁の穴でランチとかも食べた。なんかもう見事なまでのオノボリさんなのである。それからようやく宿の虎ノ門パストラスへ行きとりあえずのチェックイン。部屋に荷物を置いてからすぐにタクシーで六本木へ行く。目指すは当然のごとく東京ミッドタウンである。もはや完璧なオノボリさんご一行である。

タクシーを降りてすぐに東京ミッドタウンにも行かず目に付いた公園に行く。そう今や一大観光スポットとなった檜町公園である。タクシーの運転手からあそこが草薙剛の例の事件のと聞かされて、妻はもうノリノリで行きたいというのである。行ってみると、こりゃまあ都会の一等地にあるなかなかに居心地の良さそうな公園なのである。昼間でもここなら軽く缶ビールでも飲んで芝生で寝っころがってもたいへん気持ちの良さそうなところである。ここの雰囲気を知っていれば、飲んだくれた深夜にここにやってきて裸になって歌の一つも歌いたくなるのも人情ではないかとさえ思わないでもない。まあいいところではないかと。そういうえばあの事件も完全に風化してしまい、剛も完全復活して「任侠ヘルパー」とかで活躍中である。ジャニーズ恐るべしというべきか、いや、とりあえずあの事件に関していえば剛のキャラクターが勝ったというべきかな。やっぱり「いい人」だって、ときには飲んだくれて公園に裸になってはしゃぎたいことだってあるだろうということだ。

その後は東京ミッドタウンを周遊する。結論的にはなんということのないちょっとおしゃれな雑居ビルである。それから同じ界隈の雑居ビルつながりでヒルズにもいってみる。これも妻の発案である。押尾学の例のスキャンダルがらみでどうにも行きたいという。どこまでミーハーなんだろうか、このオバサンはというような心境である。もっとも目的のライブハウスに行くのは7時頃と決めていたのでそれまでの暇つぶしみたいな部分もあるにはあった。しかしである。かっては、それこそ20年近く前になってしまうのだが、青山にある会社に勤めていた頃にはほとんど毎晩のように遊んでいた六本木にオノボリさんして観光に来ることになるなんて思いもよらなかった。そういうのも人生なのかもしれないね。