ゲットスマート

ゲット スマート 特別版(2枚組) [DVD]
DVDの予告編を観てあの愛すべき懐かしい、おちゃらかスパイ・パロディ「それ行けスマート」のリメイクであること知りTUTAYAに直行、借りてきました。
しかし「ゲットスマート」が「それ行けスマート」とすぐに頭の中で変換できなかったな。その変換の際の違和感がなんとなく見終わった後もそのまま引き継がれていくみたいな感じ。期待値が高かっただけに、なんとなく「アレレ」みたいな感じが最後まであった。とはいえけっしてつまらない、あるいはくだらない、しょうもない映画ではない。ハチャメチャコメディ系としては及第点以上だと思う。
でもなんか違うんだよな。もともとは1960年代に30分枠で放映されていたお笑いスパイドラマである。ドン・アダムス扮するドジな諜報員マクスウェル・スマートとバーバラ・フェルドン扮するお色気女スパイ99号の迷コンビのドタバタ活劇である。毎週けっこう楽しみに観ていたものなのだよ。たぶん小学生だったんだけどね。
ずいぶん後になってからこのドラマの監修だかなんだかをメル・ブルックスバック・ヘンリーがやっていたのを知った。その頃はメル・ブルックスの映画をけっこう追っかけていたから、なるほどなるほどみたいな感じだったかな。メルブルの泥臭いドタバタはこのようにして鍛えられたのかみたいな感じをもったものだ。
しかしメル・ブルックスという人はけっこう当たりはずれのある監督だとは思う。『ヤング・フランケンシュタイン』のような快作があるかと思えば『ブレージング・サドル』みたいな、うっうっうっ・・・・的なものもけっこうある。個人的にはヒチコック映画を全編泥臭くパロった『新サイコ』が大好きなんだが。あれは興行的にも失敗だったんだろうか。いまだにDVD化されていないようだ。主演もやっていたメルブルがラウンジでいきなりシナトラみたいに歌いだすシーンが最高に好きなのだが。
今回の「ゲットスマート」でもメル・ブルックスバック・ヘンリーがスタッフとして参加しているらしい。クレジットにも出ていた。でも繰り返すがなんか違うのだ。もちろんテレビドラマの「それ行けスマート」の原題も「ゲットスマート」なんだが、それがそのままカタカナで「ゲットスマート」となるところから違和感がふつふつと湧き出てくる。同じように悪の組織ケーオス(KAOS)が今回はカオスと日本語読みになっていたりもする。ケーオスでいいじゃないかと思うのだが。
たぶんchaos(混沌)をもじった造語なんだろうけど、わざわざゲットスマートと原題でいくのなら、発音的にもケーオスでいくべきだろうにわざわざカオスとするセンスを疑う。
まあそういうのは枝葉末節みたいなことだ。結論的にいうと「ゲットスマート」に今ひとつのれなかったのは、結局110分の長丁場だといろいろな意味でダレる。結局あの安上がりなシチュエーション・コメディは30分枠というフレームがあってのものだったのかしらん、ということなのだ。30分だから安直なご都合主義的なパロディも笑ってやり過ごせる。でも110分ではちょっときついと、まあそういうことなのかもしれん。
たぶん今回主演をはったスティーブ・カレルの代わりに今は亡きドン・アダムスが主演してても同じような感想をもったかもしれない。スティーブ・カレル自体はけっこう頑張っていたようにも思うけどね。
そして99号役のアン・ハサウェイは、彼女はいいね。オリジナルのバーバラ・フェルドンも大好きだけど、ハサウェイもいい。「プリティ・プリンセス」の頃から好きだけど、やっぱり「プラダを着た悪魔」で大ブレイクした感じだな。彼女をこういうB級コメディのB級ヒロイン(99号)やらせるのは、なんとももったいないような気もするが、けっこう彼女でもっている部分もあるような、まあそういう映画だったかもしれないな。ちょうど「ハンコック」にシャーリーズ・セロンが出ていたような感じかな。あの映画だってセロンが出ていなかったらどうなったことやらと、まあ個人的には思う。
話は戻るが「ゲットスマート」は個人的には及第点はあげられると思う。でも繰り返しになるがテレビドラマへの思い入れやらなにやらで期待値高かっただけに、若干がっかりしている部分もある。それくらい昔のテレビドラマは面白かった、あるいは面白かったような記憶がある。ようは私の思い出の中の、なんつうか結局私の心の問題だったりして。とりあえずテレビドラマのさわりがyoutubeにあったのでアップします。このエレベータのギャグは何度観ても好きだなあ。

Get Smart Opening and Closing Credits and Theme Song