ゴールデンウィークと歯の治療

車に乗って中央高速に入ってすぐくらいだっただろうか、ガム噛んでいて前歯になんとなく違和感があった。としばらくするとガムにくっついて差し歯がとれてしまった。前歯は上側に4本ある。そのうちほとんど一番年月経っている右側のやつだ。慌ててガムをとり差し歯を支柱に差し込むととりあえずはまる。やばいな〜、このままだと旅行中ずっとこの歯のこと気にしていなくちゃならない。美味いものもロクに食えない。まいったな〜。
そう思いつつもその日が土曜日だからひょっとするとどこぞの歯医者さんやっている可能性もあるのではと思った。それで御殿場から東名に入ってある程度の渋滞にはまってもうまくすれば浜松あたりに10時くらいに行ければ歯医者探して応急措置とかしてもらえないかなと考えた。その時点ではまだ5時前だったから、希望的観測としてはけっこう理にかなっていた。
ところが東名に入ってその大渋滞ぶりにまいった。10時に浜松どころか、ある意味夕方までに浜松に行けるのかみたいな世界なのである。歯医者の開く時間は9時からだというのに、富士だの清水あたりにいる。10時過ぎにになって歯の治療を諦めるべきか悩んだ挙句に菊川ICで降りることにする。降りてすぐにナビで周辺の歯医者を探す。1軒目に行ってみるとやっていない。2軒目、するとおばさんらしき人が中へ入って行く。続いて入ってみるとちゃんと開業している。しかもけっこうきれいな待合室。受付のちょっと美人系のおばさんに(といっても私なんかよりは明らかに年下のようなんだけど)、、旅行中であること、差し歯がとれたことなどを説明してみる。空いているのですぐに見てもらえるとのこと。なんでもこの周辺、菊川というところはお茶の畑が多くて、この時期の午前中はお茶の仕事が忙しいので患者さんもあまりこないのだとかと、気さくでおしゃべり好きそうな受付おばさんはこちらが聞くでもなく説明してくれた。
おまけに受付のおばさん、ご家族いるのなら車の中でなくこっちで待ったらどうかと言ってもくれた。ちなみにこの歯医者さんは二階に待合室、診療室があり、一階はガレージという作り。女房を階段登らせてというのは難しいだろうとも思い、家族はちょっと足が悪いのでと一応断ったのだが、「車の中だと熱中症になりかねないわよ。それにトイレとかも使ってかまわないですから」とまで言ってくれる。それでわかりました。家族に声かけてきますと一度車に戻る。女房には診てもらえる、トイレも借りられるみたいだから階段でちょっとしんどいけれどこれたら来るように言ってすぐに待合室に戻る。
すぐに自分の番になる。その前に診てもらっているのは最初に見かけたおばさん一人だったのだから当然といえば当然。診察室はかなり広い。診察台は3〜4台。歯科助手のお姉さんが二人。歯医者さんは40代後半くらいだろうか、まあ普通のおじさん風。後で女房に聞くと受付のおばさんは歯医者さんの奥さんなのだとか。待合室でいろいろ話しをしてたみたいだ。女房曰く、やっぱり歯医者さんになるとださい人でもきれいな奥さんもらえるんだそうだ。
歯医者さんの腕はどうか、わからない。とりあえずの応急処置でもOKのつもりだし、最悪でも旅行中もってくれればみたいな感じだったから。それでもきちんと接着してくれたようで、歯医者さん曰く、これでもすぐとれるようだと差し歯を作り直すことになるとのこと。とにかく1時間くらいはくっつけた歯に負担をかけないように言われる。その他では左下奥歯に虫歯があるので早めに治すようにとか、3年前に煙草やめているのだけど、それ以前についたのだろう前歯一本がやけにヤニで汚れているのを助手に綺麗にするように指示して治療は終了。すぐに助手さんがヤニを落としてくれた。
1時間もかからないで治療は終わったのだけど、ゴールデンウィークの最中に初めて訪れたまったく知らない場所、静岡の菊川なんていう所で歯の治療してもらうなんていう不思議な体験。なんていうのだろう、長く生きているとまあいろいろなことがあるものだと、まあそういう感じだね。
治療の後はどうせ東名に戻ってもずっと渋滞だろうと思い下道通って伊良湖まで行く。下道はけっこうスムーズ。特に浜松から伊良湖までは本当に今ゴールデンウィークなのって思うくらい車が少なかったかな。