スマスマにキャロル・キングが

何気に妻が見ている「スマスマ」をキッチンの方からチラリ見していたら、なんとなんとあのキャロル・キングが出でてきてスマップと一緒に歌うたっていた。びっくらこいたね。キャロル・キングがである。ピアノの弾き語りで「ロコモーション」「君の友だち」の2曲をやっていた。まいったなという感じだ。スマップは相変わらずのあの歌唱である。そこにキャロルの歌とピアノが絡むのである。中居や草薙と一緒に歌っているのである。一昔前だったらあり得ない光景ではあるのだが、なにやら楽しそうに映ってもいるのである。
ウィキペディアで調べるとキャロル・キングは1942年生まれとのことである。
キャロル・キング - Wikipedia
現在66歳になるわけだ。16歳でデビューというからすでに芸歴は50年になる。さすがにおばあちゃんになってはいる。でもけっこう若々しい素敵なおばあちゃんである。声のほうは衰えているみたいで高音は出ないようだ。以前ユーチューブで比較的最近のライブ映像とかも見たけれど、やっぱり高い音は出ていない様子だった。ちょっと高いパートにいくかと思っても、すぐに降りてくるみたいな歌い方だ。今回のスマップとの共演でもそんな感じだったから、まあまあスマップの歌唱力と一緒になってもあんまり違和感は持たなかったかな。キャロル・キングだから実現したんだろうな、この共演。だってこれがジョニ・ミッチェルだったら絶対あり得ないことだから。
ウィキペディアでは彼女のデビューについてこう記述してある。

大学在学中にポール・サイモンからデモ・テープの作り方を教わった彼女は、自分で作ったデモ・テープを売り込んで1958年、ABCパラマウント・レコードからシングル・デビュー。

でも彼女のデビューは16歳。それなのに大学生・・・・・・・?ハイ・スクールの間違いではないのではないだろうか。彼女はニューヨーク、ブルックリン生まれ。下町っ子なわけだね。たぶん子どもの時からけっこう注目される存在だったんだろうな。音楽に関しての抜群の才能、容貌的には美人じゃないけど、そこそこいけているしね。でもハイ・ティーンの頃にポール・サイモンと友人だったりとか、それこそ有名な話だけどニール・セダカの名曲「オー・キャロル」は彼女に捧げられた曲だったとか。なんかこういうのって凄くないっていう感じだ。
1950年代ニューヨークの早熟で才能ある高校生たち。なんかこういうのって映画にでもすればいいのにと思う。なんとなく雰囲気的にはポール・マザースキー監督の「グリニッチ・ヴィレッジの青春」みたいな感じかな。あの映画はやや暗めでどこか鬱々とした部分もあるにはあったけどけっこう良い映画だった。そして50年代のビートニク世代のある種の雰囲気をうまく描いていたっけ。タイトル・クレジットとともに流れるのはブルーベック・カルテットの「トルコ風ブルーロンド」だった。バスとか乗り継いでグリニッチ・ヴィレッジに主人公がやってくるところから始まる、そんな感じだったかな。この映画の原題は「 Next Stop Greenwich Village」。「次はグリニッチ・ヴィレッジ」みたいな感じかな。
話は脱線だけど、キャロル・キングをモデルにした小説とか映画とかがあったらなんか良さそうな気がするんだけど。デビュー前後の10代から、ソングライターとして成功する20代前半。シンガー・ソングライターとして人気の絶頂に達する20代後半。それから徐々に人気に陰りが出て。そして最後は老境に入って、ハートウォームなライブを手がけるようになるまで。一昔前ならジェーン・フォンダあたりにやらせたいタイプの映画かな。
でも男性関係というか恋多き女ということでいえば、多分ジョニ・ミッチェルのほうがはるかに面白いエピソードがありそうだし、映画にするなら彼女のほうかな。これも一昔前ならダイアン・キートンとかミア・ファローあたりがやるととても面白そうだったろうにね。
話は脱線したけど、キャロル・キングは随分長いこと聴いているな。最初は我々の年代はみんなそうだと思うけど、やっぱりアルバム「つづれおり」。シングルなら「イッツ・トー・レイト」あたりからだろう。好きだったなあの曲。今思うと赤面ものだけど、あれをコピーしてギター弾き語りで歌ったりもしたもんだよ。それから「ソー・ファーロウェイ」「ジャズマン」「コラソン」とかけっこう良く聴いた。最初に車買ったのは25〜26の頃だけど、車のカセットでもキャロル・キングは良く聴いた。味のあるピアノ、けっしてうまい、美声というわけではないけど人をひきつける歌。そしてちょっとエキセントリックな面立ち。まあみんな好きなんですな。
でも彼女ももう66になるんですね。いつまでも若く、元気でいて欲しいと切に願います。