上野で遊ぶ〜科学博物館

上野には10時半頃に着いた。以前から上野の美術館、博物館巡りがしたかったのだけど、妻の車椅子のことや、娘が美術館とかに乗り気になるかということもあり、ずっと躊躇していた。上野公園に一番近い駐車場はたぶんここだろうと、ナビで検索したのが上野パーキングセンター。
上野パーキングセンター
実際上野公園の地下にあり、駐車場内のエレベーターで一階の入口に出るとすぐに目の前にエレベーターがありそれですぐ上野公園に行けるようになっている。上野公園で遊ぶには一番便利な駐車場である。
上野公園に入るとけっこう人が出ている。芸術の秋である、けっこうな人が出ている。とはいえここは博物館や美術館が何軒もあり、おまけに動物園もあるわけだ。それでいてこの人ごみはTDLに比べればちょろいものである。さてどこへ行くかと考える。簡単な下調べをすると国立博物館は大琳派展をやっている。東京都美術館では例のフェルメールをやっている。この二つはかなり興味がある。個人的は尾形光琳かなとも思いつつも、フェルメールはこれを逃すと当分見ることはなさそうだし。ただし国立博物館なんかに入ったら最後、たぶん鉄板で一日をそこで過ごすことになりそうだし、家族連れだしちょっと今回はパスみたいな感じ。フェルメールはおそらく相当の混雑だろうから、出来れば夕方短時間で見るのがいいかな。じゃあそれまではどうするかということで結局選んだのはここ。
国立科学博物館
展示 ≫ 常設展 :: 国立科学博物館 National Museum of Nature and Science,Tokyo
前から行きたかったところ、いや子ども時代に一回くらい来ているはずなのだがあまり記憶がない。たぶん日本館(旧本館)のほうだろうと思い今回は地球館(新館)のほうを中心に考える。まあ科学博物館ならば子どももけっこう興味を持ってくれそうだし、実際これまでも小田原にある神奈川県博物館とかで楽しんだこともあるしと。本当は地球館、日本館の両方回りたいところなのだが、たぶんそういうわけにも行かないだろうなとは思った。
最初に常設展ではなく特別展「菌類のふしぎ」に入る。別にきのこやこけ、カビの類などに興味はないのだが、なんとなく勢いで入ってしまった。
特別展:菌類のふしぎ−きのことカビと仲間たち
そこで初めて「もやしもん」なるコミックが存在しけっこうなヒット作になっていることを知る。幾つかの菌類がキャラクターにもなっているようだ。
もやしもん - Wikipedia
キャラクターはけっこう面白いのだが、個人的には菌類などほとんど関心もなく私と娘は早々に見るのを終了したのだが、妻はのんびりというか興味深深でゆっくり車椅子を自走してそれぞれの陳列物、たいていはきのこの模型だの標本だのを眺めている。さすがに途中から私が車椅子を押して後半は一気に眺め回して終了した。
ちなみに私が最も興味深く見ていたのはこれ。
冬虫夏草

昆虫などに寄生したきのこの総称なのだ。たいていは地下にいるセミの幼虫などに寄生する。これがまた中々お目にかかれないもので、けっこうそそられる。妻がそんなに面白いものかと聞くので、一言「冬虫夏草男のロマンだ」とわけのわからないことをつぶやく。
この冬虫夏草は昔、白戸三平のマンガでとりあげられていた。イシミツと呼ばれる不老長寿の薬の一つがこの冬虫夏草だった。ネットでくぐるとこの方のサイトで詳しくストーリーが解説してあった。
http://toppycappy.cocolog-nifty.com/muukun/2006/01/gc_674f.html
「菌類のふしぎ」を見てから地球館の常設展を見る。この地球館ワンフロアのスペースはあまり広くない。地下3階、地上3階とあるので展示スペースは相当な広さなのだろうが、エレベーターでの上下動が車椅子だとかなりストレスになるのだ。もっとワンフロアで広いスペースだといいのになと思う。昔訪れたニューヨークの国立自然博物館は巨大なスペースだったなと思う。あそこはワンフロアがかなり広大だったから車椅子でもストレスなかっただろうななどと改めて思うわけだ。
この国立科学博物館も例えば地球館は1階から入っても出口は地階にあり階段で上がってくることになっている。日本館は地階が入口になっている。だから地球館を選んだというのがけっこう選択の理由だったかもしれない。地球館を出る時に係員から出口は地階でそこからエレベーターでと言われて、少しだけきれて「ここはアップダウンがありすぎる。入口から出ます」と答えて入口の通路を逆走させてもらった。
それでもなんだかんだ3時間以上いたのだろうか。娘がお腹が減ったというので出ることにしたのだが。個人的には日本館にも未練たらたらの部分もあったけれど、車椅子の妻を連れてではこのくらいがいいのかなとも思った。娘も今ひとつここの展示物には乗り切れていないようだったし。
すでに2時近くになっていたのでどこで飯を食べるかと思ったが上野公園の中ではそれこそ精養軒くらいしか思いつかない。かなり割高かつ豪勢な昼飯となるけど一応行ってみることにする。が、やっぱり土曜の昼下がりである。入口前でかなりの人が待っている。こりゃあかんと上野公園を一度でることにする。妻が上野といえば鰻と言う。昔、妻とつきあったばかりの頃に、妻を伊豆栄に連れていったことがあるのだが、けっこうそれをよく覚えているようなのだ。家族三人で伊豆栄というのも贅沢だなとも思ったが、まあたまには良いかと思い池之端の本店にいってみる。入口の階段は妻を歩かせ車椅子を担いで入った。すぐに7階を案内されてエレベーターで上がる。けっこう空いている。
娘は鰻は昔から苦手と言っていたが、考えてみればこれまできちんと鰻など食べさせたことはない。最初は嫌がっていたのだが、店の前に来るとここで食べたいと言い出す。なんとなく店構えからうまいもの食べれそうと思ったのだろうか。三人で一番安い松のうな重を食べ、妻と私で瓶ビールを一本飲む。車とはいえ、まだこれからけっこうな時間上野を徘徊することになるので、まあいいかとも考えた。
娘はうな重を完食した。鰻が苦手はただの食わず嫌いだったわけだ。丼物が大好きでカツ丼、親子丼、牛丼などなんでも食べるから、たぶん鰻はOKだろうと思っていたのだが案の定だった。