福田総理辞任

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これはこれでけっこうなサプライズでしたね。昨年の安倍に続き二代続けての総理大臣の任期途中での辞任である。いずれも就任から一年程度で総理の椅子を放り出してしまったわけだ。
まあ政局という点でいえば、低迷する支持率。だんだんと近づいてくる総選挙での敗北の予感。総選挙を巡る公明党との駆け引きなどなど。また衆参でのねじれ国会が続くため、国会運営もままならない。そういう閉塞的な状況からすれば総理の辞任もある程度は予見可能なことだったとはいえそう。
しかも国民的な人気という点では幹事長に就任したばかりの麻生のほうが圧倒的だから、選挙の前にトップの挿げ替えしておいたほうがという計算も当然働いてはいるのだろう。でも、そうはいっても政治にも最低限のモラルというものがあるはずなのである。郵政選挙で大勝利して得た衆院での圧倒的な議席に支えられながらも政治運営という点では失敗に次ぐ失敗を続けたまま、トップの挿げ替えだけを繰り返している。それが今の自公政権なのである。これは如何なものかと思う。
参院選民主党が勝利して多数を得た結果、ねじれ国会が出現した。そうであれば早い時機に解散総選挙を行うべきだったはずだ。それが政局というものだ。もし安倍辞任後、福田政権ですぐに解散総選挙を行っていれば、自民党議席はある程度は減ったとしても大敗北ということはなかったはずだ。参院選で民主に勝たせたことの反動として、国民のバランス感覚が働いたはずだ。衆院選民主党は第一党になれなかったら、あの党はたぶん分裂していたはずだと思う。そこで政界は再編されていたのではないかと、まあタラレバの話だがそんな風にも思う。そうすればネジレ国会はたぶん解消されたのではないか。
ようはそうした仕掛けを施せる政治家がもはや自民党にはいないということなのかもしれない。
それにしても任期途中での政権投げ出しは許せないことだとは思う。こうなるとまず間違いなく、時期総理になるだろう麻生のもとで解散総選挙ということになるのだろう。十中八九年内解散ということになる。それは連立を組む公明党の利害とも合致する。あの党は総選挙でのある程度の敗北も基本OKなはずだ。そこで敗北しても来年の都議会選挙での現有議席を確保できればそれでいいのだ。まあみんな知っていることだろうけど、支持母体創価学会を宗教団体として監督しているのは東京都なのである。だから公明党は絶対に東京都議会で相当の勢力を占めて与党していなければならないわけだ。さらにいえば、福田総理の辞任で政局が流動化することで、次の国会でひょっとしたら実現したかもしれないかっての公明党書記長への証人喚問等がぶっ飛ぶこと。まあ公明党にとってはいい事ずくめではないのだろうか。