「サマータイムマシン・ブルース」

サマータイムマシン・ブルース スタンダード・エディション (初回生産限定価格) [DVD] 久々ぐたぐたの休み。前夜やや飲みすぎたのに、深夜借りていたCDの貸し出し期日がその日までだったので、小雨の中自転車で返しに行く。レンタル屋がタッチの差で閉店になっていたので返却ポストに入れて、よせばいいのに別のレンタル屋(こっちは24時間営業)に行き、意味もなく新規会員になりCD数枚借りて返って、ホロ酔い気分でダヴィングしながら観始めたのがこの映画。
正直、ゆるい、ゆるすぎるなとは思った。夏休みの大学、SF研の部室に意味なくたむろする部員たち。そこに突然出現する奇妙なタイムマシン。壊れたリモコンを元に戻すために昨日にタイムスリップして。シチュエーション・コメディですね、しかもチープな。でもけっこう癖になりそうだ。
監督は本広克行。「踊る大捜査線」シリーズでブレイクした監督である。現在も公開中の「少林少女」がヒット中だ。ヒットメーカーであり、ある意味売れっ子中の売れっ子監督である。その彼が作った初期の佳作みたいな感じかなと思いきや、この映画は2005年の製作。「踊る大捜査線」シリーズ2本の大ヒットのうえそのスピンオフ映画として「交渉人 真下正義」もスマッシュヒットさせた後の映画である。大ヒットした大作の後にこういうゆるーい映画作れちゃうところはこの監督の個性なんだろうなと思う。たぶんこういう少しつき抜けた映画やりたいのだろうねこの人は。ヒット作連発しているからこういう映画も作れちゃうという見本だ。
ちなみにこの映画の後に作ったのが例の「UDON」なわけで本広の出身地香川への思い入れの深さと感じる部分大ですね。この「サマータイムマシン・ブルース」も前編香川県でロケされています。「UDON」を観ても思うのだけど、四国香川ってなんかゆるーい土地柄なんでしょうかね。
役者さんでは現在売れっ子の瑛太がいい感じですね。個人的にはなんか古尾谷雅人あたりと少しキャラクターがかぶる感じだな。ひょうひょうとしていつつ少し照れた演技みたいなところかな。背が高く痩せ型という見た目からのイメージもあるかもしれないけど。でもいい感じでています。
ヒロイン役の上野樹里。正直ファンですね。もうこの人の演技力、キャラ、存在感には脱帽します。もともと「スィング・ガールズ」の時から美少女系なのに独特のフラがあるとでもいうのだろうか、コメディエンヌの才能があるな〜と思ってはいた。そして「亀は意外と速く泳ぐ」でもややボーっとしたキャラがとても良い感じがしてたなという印象。
そんでもってブレークした「のだめ」でしょう。もうコメディエンヌとして完全に開花しちゃったな〜と思った。それと同時にこの人は、たぶん一生「のだめ」のイメージと付き合わなくちゃいけないのかもしれないとも思った。役者さんはなまじ当たり役ができちゃうと、そのイメージ定着しちゃうからどんな役やっても当たり役のイメージで語られ続けちゃう。上野樹里はたぶん幾つになっても「のだめちゃ〜ん」なんだろうと。
ところがどっこい現在放映中のテレビドラマ「ラストフレンズ」ではバイセクシャルな女流レーサーという難しいというか、女優さんとしてはとてもおいしい役柄を好演している。もうなんていうか、軽く「のだめちゃ〜ん」イメージを払拭してしまった感じ。なかなかに女優さんとして素敵な道を歩んでいると思いました。
話は脱線したけれど「サマータイムマシン・ブルース」の彼女はあんまり必然性ないかな〜とも思うけど、ちょっと変わった女子大生みたいな感じの良い味だしていました。
映画としてはまあ平均点はつけられるかな。全編通して色恋とかの暑苦しさがまったくないところが好感もてる、はちゃめちゃコメディだけどきっちり青春映画になっていると思った。