箱根に行ってきた

またまた健保の宿をとったので箱根に行ってきた。例によって妻が空き情報をネットで調べて予約いれた。前月の軽井沢といい、とっても良い身分だねとでもいわれそうだ。
本当は三連休とかはゆっくり家で休みたいとか、ふだん出来ないもろもろ家事を集中してやりたいとか、例によってそういう思いもあるにはあるのだが、行動が制約されてしまった妻のある意味一番の楽しみでもあるので。
これも何度も書いてきているけど、お泊りは上膳据膳だから主夫的立場としては楽は楽な部分もある。一泊の費用も普通の旅館の三分の一くらいだから、ささやかな贅沢なのかも。それと箱根には介護風呂というのが設置されている。
本来の目的は「日常生活に支障のある在宅の高齢者等の方々や介護にあたるご家族の方々に介護の体験や技術を習得していただくための『在宅介護体験施設』」の中に付随した浴場なのだが、身障者や体の不自由なお年寄りも利用できる。通常の大浴場とは完全に独立しているので、家族で介護しながら利用することが可能なので、妻の入浴介助を家族がしなければならない我が家の事情にとってはとても有難い存在なのだ。
他の宿に泊まるとなると娘も母親と入浴することでかなりプレッシャーを感じているのだが、ここだと家族三人で入浴できるのでずいぶんと楽になっているようだ。小さいながらいろいろたいへんな部分もあるのだろうとは思うけど、もう少し大きくなれば別の意味で母親を介助するような自覚が自然とでてきてくれればとも思う。小さいときから必要以上にプレッシャーかけるといろいろ悪影響がでたりするかもなどと、まあ親的にはときにいろいろ考えることもあるのだ。
とりあえず小さな骨休みになればと思いつつも、私自信ここんところ胃の調子が悪く、けっこう強烈なむかむか感を抱えての旅行だったので今ひとつ楽しめなかったかな。
今回の箱根では、まず妻が行きたがっていた大涌谷へ行く。前日けっこうな雪が降っていたので、硫黄に煙る岩肌は雪にすっぽり覆われていた。妻は途中までしか登れなかったがそれでもほぼ満足しているようだった。私は膝ががくがくいっているのに娘の後追い登ったり降りたりの苦行の連続でした。
とりあえず富士をバックに大涌谷にて。
翌日は箱根でこれまで行っていないところはどこかなと思い、西武が経営しているという数少ない箱根のアミューズメントパーク(?)箱根園に行ってみた。芦ノ湖畔にあるのに海水系の水族館を併営しているというのだが、まあ箱根だもん、西武だもんとあまり期待もせずに行ったのだが、なかなかに面白い。きちんと大水槽には海水魚ががんがん泳いでいるし、ここでしか観ることができないというあのバイカル・アザラシのショー(らしきもの)もやっている。
このバイカル・アザラシ、サンシャインの水族館でおなじみなのだが、この太っちょの体系がとても人ごとではない感じで個人的に親近感がたいへんあり、まあ好きなタイプなのである。

さらにこの水族館でもっとも気に入ったのがペンギンの水槽。水槽の中をペンギンが自由に泳ぎ回るのが見ることができる。と、ここまではいまどきの水族館では、どこでも見ることができる景色ではある。余談になるが水中のペンギンほど俊敏で美しい生き物はないのではないかと常々思っている。陸にあがったペンギンは下膨れのメタボ体系なのだが、ひとたび水の中に入るといきなり流線型の近未来的潜水艇に豹変する。退化した羽は方向変換のため舵としてもきわめて有効な働きをしているようだし、本当に美しい。「水の中では私は美しい」と語ったのはヴォネガットだったか。どのペンギンもみなそう言っているような気がしますな。
で、この水族館のペンギン水槽なのだが、活発に泳ぐペンギン、陸でのほほんとしているペンギンともう一種類、水上をただただぷかぷか浮いているペンギンの三種類がいるのである。そのぷかぷか族がまた、きわめてやる気なさそうでいながら、ガラス越しに目つきのするどいガンを飛ばしてくるのである。「わ〜、ペンギンだ!」的に水槽のガラスに顔をくっつけるようにしてくる観客に対して、「あんダヨ〜。てめ〜ラ、うぜ〜んダヨ」的なガンをとばしつつぷかぷかしている目つきの悪いペンギン。その非営業的な姿がなんか気に入りました。