スザンヌ・プレシェット死去

21日の朝刊を何気に開くと死亡記事があった。

スザンヌ・プレシェットさん(女優)
AP通信によると、19日、ロサンゼルスの自宅で死去。70歳。
37年、ニューヨーク生まれ。舞台で経験を積んだ後、58年に「底抜け慰問屋行ったり来たり」で映画デビュー。その後も「恋愛専科」(62年)やヒチコック監督の「鳥」(68年)などに出演、テレビショーでも活躍した。(共同)
宮崎駿監督のアニメ「千と千尋の神隠し」の英語吹き替え版で湯婆婆と銭婆の声を演じた。朝日新聞


目のくりくりっとした美人女優さんでしたね。「恋愛専科」や「遠い喇叭」で競演したトロイ・ドナヒューと一時期結婚したこともあったということです。二人の競演はこの二本だけなのだが、もっと多いような印象がある。美男美女のお手軽コメディ系みたいなものでシリーズ化されていたように錯覚していたのかな。あるいはトロイ・ドナヒューのイメージがやたら強かったからかもしれない。ドナヒューはその頃、「避暑地の出来事」なんかにも出演していて押しも押されぬ青春メロドラマのスターだったからか。
スザンヌ・プレシュエットは正統派の美人で、容貌が似ていたためか一時期は第二のエリザベス・テイラーと呼ばれていたこともあったとか。やっぱり二番煎じ的というのか、こういう第二のみたいな売り出し方ではなかなか大成しないのでしょう、際立ったキャラにはならなかったようです。まあ数多ある美人女優の一人みたいな感じで一枚看板になることはなかった。
その典型みたいな使われ方が、ヒチコックの「鳥」でしょう。金髪好きのヒチコックが思い入れたっぷりに撮ったんだろうなと想像してしまうティッピー・ヘドレンとは対照的な黒髪の地味系女教師として登場したスザンヌは、映画途中で鳥の襲撃で無残に殺されてしまうという美人女優としては納得しがたい扱われたでした。
個人的には怪優ピーター・ユスチノフがスクリーン狭しと大活躍した「黒ひげ大旋風」で演じた人の良い大学の美人教師役がけっこう好きでした。しかしこの人は常に美人と形容される役どころが多かったですね。一言でいえば、育ちの良さそうなお嬢さんタイプの女優さんということです。まあ、そういうイメージが強すぎたことも大成しなかった要因の一つなのかもしれない。
とはいえ70歳まで女優としてのキャリアをきちんと全うしたようですし、けっしてまんざらではない人生だったのではないかと思います。しかし今回ネットでいろいろくぐってみると、若い時の彼女の画像や映像などをいくつも目にすることができました。やっぱり美しい人でしたね。どんな女優さんかというと、とりあえず以下の映像を見ればわかります。彼女がどんなに美しかったかが。もっとも晩年の彼女は、まあまあ普通のきれいなおばちゃん、お婆ちゃんになっていましたけど。