ノーマン・メイラー死去

http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20071110069.html
また一人、現代文学の巨星が落ちたみたいなことなんだろうな。一時期はアメリカ文学の最高峰とみられていた部分もある。社会へのコミットというか、反体制的立場、ラディカルな進歩派知識人の代表格でもあった。イメージ的には硬派のメイラー、軟派のカポーティみたいな感じだったかな。
代表作の『裸者と死者』は結局未読のままだ。何回かトライしたのになぜかとっつきにくく、物語にのれぬまま挫折したような記憶がある。個人的には『鹿の園』がベスト。これは文句なく気に入った。さらにはノンフィクションの『夜の軍隊』、これも感動して読んだもんだよ。新潮の分厚いハードカバー、学生時代か勤め初めの頃だから30年近く前なのにこの本けっこうしたんだよな。たぶん当時でも4〜5千円したんじゃないの。ニュージャーナリズムの最高峰的作品と誰かが紹介してたんだよな。たぶん川本三郎とか常盤新平とかそのあたりだろう。ゲイ・タリーズの『汝の父を敬え』とかと一緒に紹介されていた記憶があるが、格調高く、作品性、あらゆる意味で『夜の軍隊』のほうが上だったという印象だ。
まだ本棚のどこかにこの本あるのだろうか、いやとっくの昔にブックオフに二束三文でもっていってしまったか。それにしても、メイラーももはやほぼ過去の人っぽい存在になってしまったんだろうな。そうなると現在、アメリカ文学の巨匠っていうとどのへんなんだろう。ピンチョンとかロスあたりなんだろうか。なんかそのへんは過去の人っぽい気もするし、あるいはすでにアーヴィングとかが頂点にいたりするのかね。そういやジョン・バースなんて人もいたけど、今どうしてるんだろう。ネットでバースとかでくぐると、いきなりランディ・バースがでてきたりしちゃうくらいだから、やっぱり過去の人なんだろうか。