消える学校の連絡網

匿名の時代/消える学校の連絡網〜個人情報保護の現場で
「個人情報」を理由に、これまで当たり前だったのにこの数年で学校現場から急速に姿を消していったものーーそれは連絡網だ。いち早く児童・生徒や保護者に伝えなければならないことがあるのに連絡に手間取ったり、連絡がつけられなかったりといった不都合や不便を生んでいる。何よりも、信頼を前提とするはずの教育現場で進む「匿名化」に、教師や親たちからは戸惑いの声が漏れる。9月12日朝日朝刊社会欄

今日の朝日の記事で気になったものだ。さらに記事は幼稚園のPTAの役員になった主婦の話として、「突然の休園の際には役員が園児全員の自宅に電話しなければならないのに、園からは個人情報なので教えられないといわれたため、送迎の際に全員分を聞き取ることを強いられたなどという事例を紹介していた。
こういうのは個人情報保護法への過剰な反応の一つなんだとは思う。思い出すよ、あの法律が施行されたときの喧騒を。うちなんかでもそこそこに個人情報を扱っているので、委員会作ったり、コンプライアンス・プログラムとかでっちあげたりしたもの。けっこう時間かけて、ああでもないこうでもないと不毛系会議やったもんだった。今思うにあの大騒ぎはなんだったのだろうと。
で、学校連絡網のことだ。そうか世の中では学校現場から連絡網が消えつつあるのかと思いました。うちの娘が通っている学校ではまだまだ普通に行われていて、けっこううっとうしいんだけどね。最近では先週の台風9号の時だよ。まず5日の晩に留守録が入っていて、明日学校が休校になるかどうかは地区の緊急連絡網で朝6時に伝達しますと、クラスの緊急連絡網での電話。そう、学校のクラスと地区と二つ連絡網があるのですよ、ここの学区では。
それでまず6日の朝6時過ぎに律儀にかかってきました。ご近所の奥さんから。うちは寝室1Fで電話は2F。寝室に置いてある子機は故障中なんで、電話のベルに起されるやいなや、脱兎のごとく階段かけあがって電話とりましたよ。
「今日の学校は通常どおりの登校です。下校は給食を食べたら一斉下校になります」
「ハイ、わかりました」そう、確かに一斉下校と聞いたような気がする。でも、実は違ったんだけどね。それから今度はうちが別のおうちに電話する。眠そうな声して出てきた奥さんにオウム返しに伝えるわけ。
続く7日、台風上陸したばかりの早朝、やっぱり6時のこと。
「今日は2時間遅れでの登校になります。いつも7時55分登校班集合ですから、9時55分でお願いします」
「ハイ、わかりました」と返事。前日と同じようにご近所さんに電話する。それはそれは眠そうな声の子どもが出る。あわてて私、「あっ、おっ、お母さんいる・・・・」
この日は深夜2時半頃に起きてから5時近くまでずっとテレビの台風情報観ていたもんだから、ひじょうに眠かったのよね(意外と台風好き)。なんかやっと寝ついたかなというときに起されたようなもんだったわけ。で、思ったんだけどさあ、この制度もうやめようよ。今どき電話で伝言ゲームなんてさあ、時代遅れじゃない。「情報は肥大化する」はマクルーハンだっけ、全然関係ないか。でもやぎの郵便屋さんじゃないけど、「情報は変質する」んだよ。それに早朝にひしこいて眠いのに伝言ゲームはきついよ。
せっかくネットとかもあるのだから、例えばメーリングリストでもいいし、クラスのごとに緊急連絡用の掲示板とか、グループ用HPとかなんでもやろうと思えばあるだろうと考えるわけだ。電話で伝言ゲームは効率的じゃないし、もし連絡とれない場合は飛ばして次の人というルールも情報伝達としては不備ありすぎるだろうとも思うのよね。
緊急連絡網が個人情報保護が消えていくというけど、実際はもっと効率の良い方法があるのでそれに取って代わられる過渡期だからというのが本当のところなんじゃないのかなと、ちょっとそんな気がしている。
とはいえうちの娘が通っている小学校、いちおうHPもあるにはあるけどほとんど更新されていない。合併でふじみ野市ができた時に市内の小中学校すべてにやっつけでHP作ったのはいいけど、ほとんど活用されていないのが現状のようだ。きわめてお役所的といってしまえばそれまでなんだけど。ネット環境をもっと利用していけば、情報連絡にしろコミュニケーションとかももっと円滑にできるようにも思うのだが。