さらにあってはならないような事件ばかり

男3人を死体遺棄容疑で逮捕 名古屋の女性拉致殺害事件
これもなんか信じられないような事件だ。金に困った男たちが携帯サイトで知り合い、弱い立場の女性を襲って金を奪うこと計画、たまたま歩いていた女性を拉致して殺害するという。目的のはずの金銭奪取はわずか7万円。キャッシュカードは暗証番号がわからず金は引き出せなかったとも報道されている。それにしても偶然遭遇した女性は7万円足らずのために殺害されてしまうのである。無念としかいいようがない。そして犯人の側からすれば、これほど効率の悪い犯罪もないだろうとさえ思う。
そこそこに用意周到なのだが、犯罪計画自体があまりにもずさんで短絡的でもあること。いったい何を考えてこういう凶悪犯罪に走ってしまうのか、どうにも信じられない。被害者やその家族のことを思うとどうにもやりきれない。
犯人たちは36歳の新聞勧誘員、無職の40代車上生活者、同じく無職の32歳の男性三人組。いずれも犯罪を募集する携帯の裏サイトで知り合ったという。ある意味では格差社会の末端に位置するような男たちである。仕事にもありつけない男が短絡的に犯罪者に転落していく。なにか格差社会の行きつく先の現実を象徴化するような事件のような気がする。
さらにいえば犯罪の被害にあった女性も派遣社員であるという事実もまた悲しい。格差社会の底流にあえぐ者たちが加害、被害関係に陥っているという事実。格差を是認する考え方からすれば、たぶん安全もまた金で買いなさいというのが本音なのかもしれない。底流の人々が犯罪行為に走り、安全を買うことができない同じく底流の人々がその被害に遇うという
事実。これが将来の現実に向けた2007年的予兆ということなのだろうか。