フォークリフトの免許を取りに行く

22日と今日の2日間をかけてフォークリフトの免許を取るべく講習と試験を受けてきた。
発端はというと現場の社員が倉庫の棚にフォーク激突させて支柱を曲げちゃった。この社員もそこそこフォーク経験あるけど実は無免許だったりして。やっぱり何かあった時にまずかろうということになって、これを機にフォーク利用している社員で無免許の者には全員免許取らせることになった。そんでもって私にも「行ってみる」と、声がかかったんだけど、現場仕事してないんだよね。一昨年から1年だけ現場監督の真似事やってただけだから。フォークもその時にほんの短時間乗っただけ。乗って荷物取ろうとすると、すぐに若い衆が「代わります」っていう。ようは戦力になっていなかったわけ。
免許についてはきちんと講習を受けていればまず落ちることはないということだったけれど、二日間でとれるのは実務経験ありが前提の人ということになっている。でも、私全然経験ないじゃんということで、かなり不安でもあった。さらにいえば、うちの会社で過去に落ちた人間いないし、もし落ちようものなら何をいわれるか。
とはいえ、ふだんは1日8時間のほとんどをパソコンの前にいるか、得意先との電話応対ばっかりだからフォークの運転などすっかり忘れている始末。だもんで今週などは、業務終了後に一人残ってパレットの積み替えとかやってみたりもした。
講習は1日目が学科。受けたのは立川の労働基準協会が主催する講習で、二日とも昭島の昭和飛行機という広大な工場の一角で受講した。22日は学科で朝8時半から夕方の4時半までびっちり講習を受け、最後に学科試験を受けた。学科はおおまかにはフォークリフトの概要、運転に必要な力学、関係法令の三つ。だいたいにおいて7時間もびっしりと講義を受けるなんていうこと自体がもうすでに何十年もないわけなんで、もう苦痛で苦痛で死にそうだった。とはいえ、講義の節々で講師の先生、ここは試験に出ますというものだから、おちおち寝てもいられない。睡魔にも耐えてなんとか全講義を受講しました、寝ることもなく。
しかしだよ、この年になって力学だもん、正直まいった。いきなりだよ、「力学上の力には、大きさ、方向および作用点の3つの要素がある」とか、「力のモーメントとは力と距離との積であって」とか、「質量と重量の違い」とかである。とどめに「物体の質量とその物体と同体積の4℃の純水の質量との比をその物体の比重」というのだそうである。知ってた?
おまけにこの辺はぜんぶ試験に出ました。試験は三択から正しい記述や誤った記述を選ぶもので、まあきちんと講義を聞いていればなんとかなるのだけど、けっこうひっかけが多くて難儀した。周りの反応とか話を総合すると、けっこう学科で落ちる、落とされる人が多いのだそうだ。二回目、三回目という話も聞いた。ぶっちゃけ力学とか労働安全衛生法や衛生規則なんていうものがだよ、ばりばり現場系の人には関係なかろうとも思うし、けっこうしんどいだろうなとも思った。一緒に行った会社の若い衆とかの話でもけっこう難儀しているようだった。私はというと、とにかく寝ずに講義聞いていたからだろうな、たぶん九割方はできたとは思う。
学科の結果は木曜くらいにわかり今日は実技試験。正直これがしんどいところだった。受講者は全部で9人。実技はフォークで重しを載せたパレットをとり、移動してまた元の所にパレットを置くというもの。いったん止まった状態から動く際には必ず左右の確認をしたり、荷物を取る際には二段取りという一度荷物を引き出したり、逆に置く場合は二段置きという送り込みの操作をする。これを所要時間7分以内でやる。
試験の前に2回練習を行うので、一人3回試技を行うことになる。これを9人で行うのでけっこう長時間かかる。そのほとんどを他の人の操作を見学しているだけなのだが、それぞれの欠点とかが間違いとかがわかって参考になるにはなるけど、いかんせん長すぎるなと思った。
3回目の試験ではそれまでほとんどノーミスだったのに大きなミスする人とかもいてけっこう様々。うちの会社からいった人でも毎日仕事でうまく乗りこなしているはずなのに、多分頭真っ白になったんだろうか、パレットとって移動せずにすぐにまた台に置こうとして試験管に指摘されてしまうというような大きなミスした人もいた。うちの会社ではこの日4人一緒だったのだが、どちらかというと実務経験豊富な人がけっこうミスしていた。私ともう一人、経験の浅い20代の子がほとんどノーミスだった。結局ふだん乗りなれていないほうが、へんな癖とかもなく、安全確認とかもきちんとこなせていたということ。とはいえ、こういう人間は実際の現場ではほとんど使い物にならないのだから、まあ、ようするにそういうことなわけだ。
全員の実技が終了してから試験管の講評があり、「今日の受験者の中で不合格の方はいらっしゃれないと思います」の一言に一同安堵した感があった。今回、9名のうち3人が女性だった。うち2人は20代の前半くらいかなと思えるほど若い女の子だった。物流現場とかではもう普通に女性がフォークに乗るようになっているのだろうなと思った。うちの会社なんかでは女性がフォークに乗るなんていうことは、ある意味あり得ない。女性には重いものを持たせるなとか、けっこう現場的には男性中心主義みたいな感じが強い。女性のパートさんなんかも本のピッキングとかが主で、パレット単位での移動なんていうのはすべて男性の仕事ということになっている。でもこういうのもそろそろ変えていく必要があるんだろうなとも思ってもいる。
例えばだが、製本所からの搬入とかでも大型トラックを転がす運転手にもけっこう若い女性とかも増えてきつつあるのだ。女性でもハンドフォークやリーチフォークとかを普通に操作するのは可能だろうし、女だから駄目とか、男でしかできないだろうみたいな発想はそろそろ捨て去った方がいいのかもしれないとは、まあ常々思ってはいるところでもある。実際へたな社員なんかよりも飲み込みの早いパートさんなんかもいくらでもいるのだからね。
今回のフォークの試験結果は多分木曜くらいにはわかるはずだ。たぶん普通に合格しているとは思うけど、だからといってフォーク乗る機会なんて、ほとんどないんだけどな〜。
フォークの試験については以下のサイトがとっても面白かったです。
http://paperstreet.iobb.net/forklifter.htm#course