ヴァン・ヘイレン「ジャンプ」

auのCMで連日かかっている曲がずっと頭にこびりついている。
もともと大好きな曲、ある意味90年代を象徴するメガヒット・チューンなわけ。あの特徴的なシンセのイントロのスケールの大きさ。でも、なんでauでこの曲なんだろう。
だいたい「実は夏って携帯の季節」ってなんだよ、と妙なるつっこみを入れてみたくもなる。とはいえ化粧とか少し変えるだけで、仲間由紀恵が大変身っていうか、けっこうイケイケのいい女していて、それはそれでとってもいいのだけど。
でと、「ジャンプ」である。手持ちの『ビルボード・ナンバー1ヒット』(下)によると、1984.2.25から5週連続1位を記録した。これがどんなにすごいかというと、この週のヒットチャートは以下のようになっていまして、

1.JUMP/VAN HALEN
2.KARMA CHAMELEON/CULTURE CLUB
3.99 LUFTBALLONES/NENA
4.GIRLS JUST WANT TO HAVE FUN/CYNDI LAUPER
5.THRILLER/MICHAEL JACKSON

ようは「ジャンプ」のビッグヒットのおかげで、シンディー・ローパーのデビュー曲もビデオ・クリップを含めて大ヒットしていたマイケルの「スリラー」の1位をも阻止されてしまったというくらい、すごい曲なわけだ。
ちなみに「ジャンプ」の前の1位はというと以下のようになっている。

ALL NIGHT LONG/LIONEL RICHIE 1983.11.12〜4週
SAY SAY SAY/PAUL McCARTNEY MICHAEL JACKSON 1983.12.10〜6週
OWNER OF A LONELY HEART/YES 1984.1.21〜2週
KARMA CHAMELEON/CULTURE CLUB 1984.2.4〜3週

なんていうんだろう、ある意味一番MTVとか観ていた時期。洋楽にえらくはまっていた時期。そして毎週「ベスト・ヒットUSA」を欠かさず観ていた時期になるんだな。だもんで、この時期のヒット曲というのは個人的にも思い入れがある。その中でもとりわけこの「ジャンプ」がいいのだよ、と。
曲調自体はよりポップで売れ線狙いのヘビメタっていうところなんだろうが、とにかくあの大胆なシンセが印象的。そしてなによりもヴォーカルのデヴィッド・リー・ロスの色気むんむんのパフォーマンス。このへんが総てということなんだろうな。

Van Halen - Jump
で、なぜかユーチューブくぐっていると、デヴィッド・リー・ロスくん、こんな面白いパフォーマンスを見せてくれていて笑わせてくれるわ。ブルーグラスだもんな。

そしてとどめというか、極めつけはこちら。

なんとボストン・ポップスバックに見事にきめてくれています。おまけになにやら海軍さんの軍人さんらしき人々が客席前列にずらっといらっしゃり、あちこちで国旗がたなびいていいるところなんか、どうにもそういうディープな催し物のゲスト出演なのかなとも思える。なんともアメリカの保守的風土に見事にはまっている「ジャンプ」なのである。もはやクラシックの域に達した感さえあるのだなこの曲は。聴いて楽しんでいるお客さんたちも、田舎のお兄ちゃん、お姉ちゃんというよりももはや見事なおじさん、おばさん系。ディープなアメリカに根ざしている感じだね〜。
昔々、新婚旅行でオーランドのリゾートとか行ったのだけど、そこのディスコみたいなところに入ったのだよ。するとだね、中西部の(ようは田舎者系)きちっとしたおにいさん、おねえさんたちが行儀よく踊っているわけ。ぜ〜んぶ白人ね。で、最後のほうでみんなブレイクしちゃう曲がさ、ヴィレッジ・ピープルの「YMCA」だったりするわけね。なんかそういう雰囲気を思い出しちゃったよ、このボストン・ポップスジャンプは。