さらばストリーム2

この車にはいろんな意味で思い入れがたっぷりある。初めて新車で購入した車だったということもあるし。その前に乗っていた3年落ちで購入したばかりのRVRが故障続きだったので、いい加減中古車にはうんざりしてしまったということもあった。しかし思い出すにつけ、あれははずれもはずれ、ひどかったな。走行中にスライドドアが半ドアになってしまうということが頻繁にあったし、保育園に子ども迎えに行こうとマンションに機械式駐車場から出そうとしたとたんにエンストしてその後エンジンがまったくかからなかったり。これは結局エアコンベルトがぶちぎれたということだったけど。とどめはいくら4駆だとはいえ、街乗りでリッター5キロ台というガス食い車おまけにハイオク仕様。
そんなことで購入して1年足らずでRVRを手放し、新車を購入しようと考えた。それまで買ったこともなかった車雑誌を月に何冊も買い続けた。子どもがちょうど3歳くらいになり、お出かけの頻度も増してきたので、出きれば広めの車がいい、駐車場の関係で5ナンバーサイズなどと選択肢を狭めていった。そこで5ナンバー7シート車ということで、当時的にいえば5ナンバー時代のイプサムマツダプレマシー、日産リバティ、三菱ディオンなんかが候補になっていたっけ。そこにさっそうとデビューしたのがストリームだった。とにかく前評判にわくわくしたし、発売になったのが11月後半で12月には契約していた。なにか琴線に触れるものがあったんだろうな。
それからというもの、購入してわずか一ヶ月で当て逃げされて後ろ片側の大幅損傷あり、二回のリコールあり、カミさんが近所のスーパーで片側ブロックに激突させてのリアドア交換あり、もういろんなことがあった。このリアドア交換の時は確か会社から帰宅途中の電車の中でカミさんから連絡があり、一瞬ひるんだけどすぐに車動かせるならディーラーに即効持ち込めと指示した。最寄り駅に着いてしばらくすると妻と娘を乗せてホンダのサービスマンが迎えにきた。「けっこうひどくやられていますので、リアドアは交換になると思います。ポラロイド撮ってありますのでご覧になります」と言われたので、「もう見せないで。それでなくてもめげているんだから、とにかく保険使うからきっちり直してください」と弱々しく答えるのが精一杯だった記憶がある。
この車ではけっこういろんなところへ行った。ロングドライブ系では能登一周旅行や伊勢志摩旅行とか。近場ではそれこそ盆暮れ、GWの長野実家への帰省、日光、箱根、軽井沢といった保養所巡り。それに冬場のスキーでもけっこう活躍したものだ。
それまで年間5000〜6000キロ走れば御の字の典型的なサンデー・ドライバーだったのだが、東上線沿線に会社が移ってきた5年前くらいからはけっこう頻繁に通勤にも利用した。雨の日が続くとそれこそ週に3〜4回も車通勤をしたこともあった。その頃からグ〜ンと走行距離が伸びた。妻が病気になってからはそれこそフル稼働で都内の病院までの往復や所沢の国リハへの行ったり来たりに大活躍だった。たぶん一昨年の11月からの1年間では年間1万2千キロくらいはゆうに走ったろうと思う。
基本7シーターの5ナンバーミニバンなんだが、けっこう走りにふっている部分があり、高速での加速性能やエンジンの吹き上がりも快調なものがあった。この車に乗るようになってからは高速で平均130前後で走るのが普通になった。よく走り、よく曲がり、きちんと止まるという点では本当によくできた車だったと思う。
今まで乗り継いできた車のことはもうほとんど忘れてしまいつつある。乗り心地やハンドリングとかももうまったく思い出せない。でも、たぶんストリームのことはけっこういつまでも憶えているんじゃないかなと、そんな気がしている。
ついでにいえば昨年7月にフルモデルチェンジした新型はスタイル的にもかっこ良さを増したと密かに思っている。走りも進化しているらしい。我が家の狭小駐車場と妻の病気がなければ、またストリームに乗り継ぐということでも良かったのになどとも思う。まあ言ってもせんないことだけど。でも、ほんとうにストリームのことは気に入っていた。ほんと良い車だったよ。さようなストリーム。