娘のピアノ〜なんちゃって発表会

娘は風の里で週に1回ピアノのレッスンを受けている。ピアノの先生が週に2回通いで風の里にいらっしゃってピアノ教室を開いている。風の里はいわば場所だけを貸しているという形をとっている。このレッスンをかれこれ5年近く娘は受けている。レッスンは週1回で30〜40分くらいだろうか。とはいえ、娘が風の里から帰ってくるのはいつも8時近くだから、ふだんの日にピアノの練習とかはほとんどできない。土日もお出かけとかもあるから、まとまってピアノを弾くということもあまりない。ということでちっとも上達してはいない。
そんなある意味なんちゃってピアノではあるのだが、これまでにも2回ほどピアノの発表会を風の里で行っている。発表会とかがあると、親も少し口をすっぱく練習させるようになる。うちの娘の場合も、できる限り夜とかも帰宅後30分程度練習とかをさせたりもしてきた。そうやってなんとかへたなりに一曲通して発表することができるような形にしてきたわけ。まさしくなんちゃってピアノそのものだ。
ほんでもって今日は3回目の発表会だった。発表会をこの日に行うことはけっこう前、たぶん年明けすぐくらいに5月にやるということに決まっていた。毎回のレッスンでも課題の曲をず〜っと練習してきていた。そこで、親としてもやっぱり強制的にでも練習させなくてはと思い、けっこう口すっぱく、「はい家帰ってきたら、まずはピアノやって」と促してきた。だから二週間くらい前から、なんとか課題曲がさまになってきているのは感じていた。
発表会演奏は保育園の小さい子から、学童の高学年の子まで順番に行う。一番小さい子はたぶん年中さんくらいだろう。10数名の子どもたちの発表演奏なので、トータルで一時間くらいだったろうか。一番最後に先生が模範演奏を1曲やって終了というパターン。娘の演奏はというと、まあこんなものかというような可もなし不可もなし。とりあえず大きなミスもなく終わってよかったよみたいな感じだった。
一人、うちの娘よりも学年が下のお子さんでけっこううまいのがあった。後でそのことを娘に言うと、「○○ちゃんはいつも早お迎えだから、家で練習する時間があるんだよ」ときちんと言い訳まで用意されていやがんの。まあ、凡父たる自分のDNA受け継いでいるわけなんで、音楽の才能に恵まれているみたいなことはまずないだろうし、突然変異的な才能開花みたいなこともありえない。そのうえ毎日やらなくてはけっしてうまくなれないこの手の楽器なのに一日ないし二日おきくらいのペースでしか練習しないのだから、まあうまくなる訳もないというところだ。
まあこっちとしては、小さい頃から音楽を享受したり、演奏したりする環境にいることが一番重要みたいな考え方。将来的にはうまいプレイヤーになるのは多分無理だろう。でも良き音楽の享受者、聞き手になってくれればいいかなくらいに実は思っている。まあ願わくばピアノをずっと続けてくれればいいなとは思う。へただろうがなんだろうが、とりあえずピアノが弾けるというのはとっても素敵なことだと正直思う。さらにいえば、ピアノ買ったのだって妻の自分が子ども時代にピアノ欲しくて欲しくてたまらなかったのに、果たせなかった。そういうピアノへの思い入れがせめて娘にはピアノをみたいな暗い情熱となって購買行動にでたわけだから。
結局、親の思い入れだけじゃないか、と言われてしまえばそれまでのこと。でもね本人が欲しくて欲しくて、弾きたくて弾きたくてということじゃないとしてもだ、家にピアノ(うんと安いものだけど)があり、それを週に1〜2回でも練習できるというのはいいことじゃないかと思う。私だってピアノ弾けるようになりたかったもの。もしも自分が育った家庭にピアノがあり、自分もレッスンとか受けることができた、そんな少年時代を過ごすことができたなら、たぶん今みたいなこと俺してないんじゃないかみたいな幻想あるいは妄想に浸ることだってあるもの。そう、いつものここではないどこか、そしてもう一人の自分シリーズの妄想だ。
まあ、それはそれとしてだね、とにかく娘がピアノをとにかく嫌いにならないでいてくれればいいかな。