オーディオ、スタン・ゲッツ、ヤオフク

先日ヤオフクで購入したオーディオ、パイオニアのFILLがよい音を聴かせてくれる。とても快適である。もう片っ端からとっかえひっかえCDかけまくっている。休みの日なんかはけこう自室にこもって短時間ながら自分の時間みたいなものを楽しんでいる。こういうそこそこの心地よさっていうのは、やっぱり人生には必要なんだよななどと勝手に得心している。
今も深夜ながら小さくスタン・ゲッツのベスト盤なんかを楽しんでいる。『マイ・ファースト・ジャズ』というボサノバ系をまとめたコンピもの。ゲッツの音ってメリハリ利いていて、なんか突き抜けるものがあるなあとか、所謂ボサノバはゲッツとめぐり合わなければ、こんなにも世界的にヒットしなかったのかもしれないな、などと脈絡もなく考えたりもする。このベスト盤、まさしくゲッツ入門編みたいなものだけど、ゲッツ的ボサノバの魅力をあまねく伝えてくれている。
次に取り出したのは「ゲッツ・ジルベルト」。この1963年作のアルバムは、リラックスした心地よいボサノバサウンドの企画モノぽく語られがちだけど、実はスタン・ゲッツジョアン・ジルベルトアントニオ・カルロス・ジョビンという才能溢れた三人のクリエイターのぶつかり合いみたいなすごいアルバムなんじゃないかとも思う。よくよく聴いていると冒頭の「イパネマの娘」なんか、妙にピリピリとした雰囲気が漂っていないだろうか。ジョアンのギターとヴォーカルで始まる導入部。やさしくからんでくるジョビンのピアノも妙によそ行きな感じだ。そこへ過緊張気味のど素人、アストラッドの弱々しげささやき。そして御大ゲッツの登場。でもゲッツもどこか遠慮がち。このスタジオ録音、なんかあんまりリラックスした雰囲気がしない演奏だなと脈絡なく思ってしまった。
ブラジルの優秀なミュージシャンを集めた録音にさすがにゲッツも少し気負うところもあったかな。それとプロデューサーのクリード・テイラーへの遠慮とか。それに対してジョアンやジョビンはどうか。こっちはこっちでゲッツになめんなよみたいな意気込みというか静かなる闘志が感じられたりもする。まあ、酔っ払いの勝手な思い込みではあるのだけど。
ゲッツ/ジルベルト マイ・ファースト・ジャズ
さてと、オーディオに話を戻すとこのFILLけっこう気に入ったので、値段によってはもう1台手に入れておこうかななどと考えて時々ヤオフクチェックしているのだが、つい先日も2台出ていました。一つは私が購入したのと同じアンプ、CD、MD、カセット及びスピーカーの構成。15000円からとお高く出品されていたので、期限当日まで値がつかなかったのが、あれよあれよという間に34500円までいってしまった。もう一つはカセットのない構成で、最初5000円台の攻防だったので私も入札に参加してみた。1万以下ならけっこうお買い得かなとも思ってはいたのだが、これも間際になって一気にヒートアップして24500円までいってしまった。
なんかすごいな〜と思いつつも、一月近く前になるけど13000円ちょっとで落札した私ってば、とってもお得だったのかななどと、ついほくそ笑んでしまいました。でもって今一番ほしいものはというと、そこそこのプレイヤー。リバティについていたプレイヤーは専用端子仕様のためFILLでは聴けそうもない。そうなるとわずかばかりではあるが、持ち続けてきたLPレコードが聴けなくなってしまうわけなのである。まあ半分位はCDで買いなおしてはいるのだけど、やっぱりLPでしか聴けない個人的お宝があるから、早く手に入れたいのだが。
とまあ物欲オヤジの夜はかくのごとく更けていくわけなんだ。