中古物件の内覧にいってきた

会社から徒歩10分くらいのところで築6年くらいの中古物件がタウンズに載っていた。場所は会社の帰りとかに確認してあったのだが、駅からも徒歩10分圏内で、土地35坪、家屋が30坪ある。このエリアではあまりでない稀少物件でもある。値段も相場よりかなり安い。だもんで不動産屋に連絡をとり中を見せてもらうことにした。
ちょうど引越しをするのだろう、荷造りの最中で部屋の中はけっこうちらかってはいた。子どもは男の子が二人。男の子がいる家は荒れる、傷むとはよく言われることだけど、築年数並みの痛み方なんだろうなとは思った。ふとリビングの傍らを見ると
、そこに小さな祭壇があり、ご主人らしき人の遺影とその横にはお骨が置いてある。写真から推測するに年齢は三十代後半から四十代半ばくらいか。お骨があるということは49日経っていないということ。
ようするに事故か病気かはわからないけれど、ご主人が奥さんとお子さんを残して亡くなられた。たぶん家はローンとかも残っているのだろう。だから売却して・・・・・。ようするにそういうようなことなんだろう。
遺影のある雑然としたリビング周りを見ながら、一方で私と4点杖を持った片麻痺の妻と娘がこの家の中をチェックして回る。トイレは、風呂は、台所は、二階は。なんかいきなりレイモンド・カーバーの世界に入ってしまったような、なんともいえない思いになってしまった。
後で不動産屋に聞くとすでにこの家は別の人から購入予約も入っているのだとか。たぶん私と家族がこの家に住むことはありえないのだろうとは思う。でもちょっと一言ではいえないような何かが心の中に残っている。