金曜プレステージ『壊れた脳 生存する知』

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あの山田規畝子さんを描いたドラマが放映された。新聞で知りハードディスクに録画しながら観た。家族三人で観た。ドキュメント色が強くなかなか硬派なドラマになっていたと思う。脳出血等の疾患とその後遺症の現実、若くして発病し後遺症に苦しむ姿がよくわかるように描かれていたと思う。同じような病気を経験した妻や我々家族にとってはとても切実な内容だった。
もちろんところどころが美化され脚色が強い部分もあるとは思う。でも山田さんを演じた大塚寧々も良い芝居をしていたと思うし、途中で病状の解説などを交えたドラマは単なるお涙頂戴的エンターテイメントを越えたものがあったとも思う。
もともと涙もろい私などはところどころで、すでにうるうる状態だったが、ラストに山田さん本人と息子さんが実際に町を歩くショットが流れた時には、正直破顔してしまった。結局のところどんなに素晴らしいドラマであっても事実の映像にはなかなか勝てないものなんだな〜とも思ってしまった。
山田さんの息子さんは本の中でもとても良い子として描かれているけれど、もうすぐ中学生になる彼は優しくもお母さんを守る強い、素晴らしい子どもとして育っているようだ。うちの妻などはドラマを観ている間中も時々娘に向かって、「○○はこんなに優しくないよ」とか「やっぱり男の子はこういう時優しいのよね」を連発していた。
脳血管疾病のことや片麻痺のこと、高次脳機能障害のことがこのドラマを通じてもっと世の中に知れ渡るようになればいいと思う。保険でいう高度障害等に比べて片麻痺が極端に低い基準でとらえられていることや、今の社会保障制度の枠組みの中で高次脳機能障害がまったく顧みられていない現実が、こうした社会啓蒙ドラマ等を通じて少しづつでも変っていけばいいとは思う。
観終わった後でサイト検索とかしていたら山田規畝子さんのオフィシャル・サイトがあるのでびっくりした。元気で活躍されているようだ。ドラマの最後で山田さんのインタビューや山田さんが息子さんと一緒に町を歩いている姿とともに、現在の山田さんの活動が確認できた。
山田さんは今でも老人保健施設の施設長をされているのだろうか。彼女の周囲の環境はやっぱりお医者さんだけあって、一般に比べればとても優遇されているのだとは思う。彼女の活躍をそのまま一般の障害者に参考にするわけにはいかない。でも、どうしたら障害者がもう一度社会復帰をする機会を取り戻すことができるか、仕事に復帰できるかの一里塚を示しているとも思う。
そろそろ妻の社会復帰の在り方をどうしていこうかということを具体的に考えていかなければならない自分にとっては、別の意味で重いものがあったドラマでもあった。
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