ふじみ野プール事件リンク集

ふじみ野市大井プールでの悲惨な事件以来、いくつかのサイトをくぐっては情報を集めたり、事件の原因や責任問題などを考える際の参考にさせてもらっている。そのうちの幾つかを紹介してみる。
○有田一彦氏のARエコノート
http://www.arita.com/ar/archives/cat_2pool.html
大阪府職員で水問題の専門家である有田一彦氏の水問題に関する専門サイト

このサイトでは水道水や遊泳プール問題をはじめ、エネルギー,ごみ,住居・ライフスタイル等,エコロジー関連の話題について広く生活者の視点から眺めていきます。有田一彦が運用しています

今回のプール事件について最も適切な指摘がされていて、とても参考になった。氏は今回の事件の責任を行政上の過失責任を組織的過失として次のように述べられている。

さて、組織的過失といった場合、これら関係者の責任の重さは同等なのかどうか。整理してみましょう。

ふじみ野市教育委員会?):所有者責任、プール設計施工管理の責任
埼玉県(保健所):プール指導要綱による指導責任、プール開業届による監督責任
プール設計会社:安全で快適なプール設計を行う責任
プール施工会社:設計図面に基づいた施工を実施する責任
プール管理受託会社(監視員含む):プール管理点検業務に関する責任
メディアで取り上げられてきたのは、まず、プール管理の受託会社やその丸投げ会社の監視人の責任でした。そして、その杜撰な契約行為を行ってきた当のふじみ野市の責任も話題になっています。でも、ふじみ野市の責任はそれだけではありません。簡単にはずれてしまう吸水口の安全柵を持つプールを作った責任、それを運営してきた責任がまず問われるべきなのですが、そんな雰囲気にはなっていない。取り調べを行っている警察は大変だろうけど、もっと大掴みに問題を捉えてほしい。

この事件の原因と責任についての本質的な議論をするうえでの指針ともなる記述もあった。
http://www.arita.com/ar/archives/2006/09/01/inOut.html
有田氏は表層的なプールの管理運営上の問題や業務委託の問題よりも、きちんとした業者とは思えそうもない業者に業務をゆだねたふじみ野市の責任、さらにはこの危険なプールの施行責任者としてのふじみ野市の責任を大いに問題にされている。さらには上級官庁としての県や保健所の責任にも言及している。そのうえで原因追求と責任追及を切り離したり、責任追及よりも原因追求、再発防止を優先させるような安易な議論にきっちり釘をさしているようにも感じた。

原因追及と責任追及は全く違うモノであることは多くの人が既に指摘しています。責任関係者が行う事故調査では原因の追及が甘くなったり、中途半端になる危険性が高いというのは当たり前のことかもしれません。それについてはいずれまた考えてみます。

事故直前にいろいろと事件についての感想や原因、責任論を想定して書かれた様々なブログもけっこう参考になったし、この事件を考えるうえでの問題点を整理できた部分がたくさんある。
○林 志行氏のコラム
http://www.nikkeibp.co.jp/style/biz/feature/risk/060808_pooljiko/index.html
事件から一週間と比較的早い時期にリスクマネジメントの視点から、問題的をわかりやすく整理してある。当初この事件を考えるうえで一番わかりやすかった。
○局のひとりごと
http://ameblo.jp/kakomonogatari/entry-10015338848.html
○あれは、あれでよいのかなPart2
http://blog.goo.ne.jp/okanyan/e/8d3d9e3c798c5fac9d0297ade2dc0fb6
法治国家つまみぐい
http://miso.txt-nifty.com/tsumami/2006/08/__2910.html
この三つのブログは事件から比較的早い段階で記述されているが、事件の本質を知るうえでは参考にさせていただいた。リアルタイムでおきた事件に対して的確な分析、コメントを寄せることができる人たちが無数にいる。そうした人たちによる良質なブログが、ネットへの信頼にもつながっているのではないかとひそかに思っている部分もある。
○自由の風ITUKYUU
http://itukyuu-wb.at.webry.info/200608/article_26.html
ややもすればネットウヨ系の言説でトンデモブログ系?!とも思えそうだが、この記事では業務委託=丸投げの原価計算のしくみがとてもよく理解できた。
ふじみ野市会議員系ブログ・サイト
○民部佳代市議ブログ
http://blog.livedoor.jp/mimbu_kayo/
民主党系の主婦市議さんのブログ。前回の市議選でなぜかこの人に一票を投じている。基本的に民主党系を支持しているから。まあ、自民党へのカウンターアタックとしてだ。市議としてかなり早い時期からブログをやられているので、市の情報を得るためによく利用させていただいている。主婦の視点とともに、合理主義者で自治体の政策についてもけっこう勉強されている点も評価している。ブログ等での積極的な情報の提供を含めて保守的なこの町で、地元のボス系が多そうな市議の中では評価が高いと思っている。ただし、今回のプール事件では与党としての立場からか、市長擁護のためにやや歯切れが悪い論述が多いようにも思えて残念でもある。
○山川寿美江市議ブログ
http://sumizumi9.tea-nifty.com/yamakawa/
共産党のベテラン市議である。共産党である。でもこの人のブログを見ていると、勉強家で真面目かつ、けっこうタフ系のおばさんという雰囲気が感じられて、けっこう嫌いではない。ボクシングとかの話題もあったりして、そこそこミーハー部分もあるのもいい。プール事故については、市長および市政を批判する急先鋒的存在で歯切れもいい。事故調査委もまめに傍聴されていて、積極的に情報を提供しているところもポイントが高い。市議から県議への転進を目指されているようだ。この人に県議選入れてもいいかなとも思っている。
鈴木啓太郎市議ブログ
http://www.keitarou.info/klog/
いわゆる市民運動家タイプ。どこかの掲示板に鈴木氏は元ブンドみたいな記述があった。年齢的には私とほど同世代だから、いくらなんでもブンドはとも思ったが、ウェブに公開されている経歴では1970年に現国会議員の保坂展人氏らと中学生共闘会議に参加とか15歳で三里塚で拘留されるなど、華々しい経歴の持ち主のようだ。元過激派(?!)にして現在も市民運動家として地方自治体の議員をやっているという。ある意味では徹底して首尾一貫した政治行動を行われている。そういう意味では尊敬できる部分も多々ありそうだ。立場的には民主党系だがブログの記述でも是々非々をつらぬいていて、プール事故に件について、また議会の流会などについても的確なレポートをされている。
○青山ひろあき市議ウェブサイト
http://homepage1.nifty.com/aochanworld/action.report.html
社民党系の市議さんである。いわゆる護憲派、オールドレフトみたいな雰囲気が感じられる。この人も是々非々タイプで、プール事故等や議会流会などにも小気味良いレポートがある。
☆その他参考サイト
ふじみ野市の公式サイトに事故翌日に掲げられた謝罪文。
いつのまにかお知らせの下部に隠れてしまった。結局この一文以外にふじみ野市から公式に出されたものは何もないようなのが、少し悲しいところだ。
http://www.city.fujimino.saitama.jp/info/detail_157.html
ふじみ野市職労によるプール事故への見解
http://www.jichiroren.jp/md/news/article.php?storyid=371
ふじみ野市の職員労組が自治労ではなく、自治労連=共産党系であることは、この手のサイドをくぐってわかったことだ。市議会では共産党島田市政の唯一の野党系なのだが、市長と組合が対立しているということもなさそうで、市長、市議会共産党議員団、職員労組のトライアングルについて少しだけうがった見方をしてしまいそうだ。
自治労連のサイト
http://www.jichiroren.jp/md/news/article.php?storyid=374
自治労連も今回のプール事件では事故調査団を組織し、市長とも面談をしていたことがこの記事でわかる。

最後に市長から「労働組合にはずいぶんと協力してもらっているし今後も協力をお願いしたい」という要請があり、自治労連も市職労、県本部がいっしょになって、住民の安全を守り住民の信頼を回復するために、市当局とも協力して努力することを約束し、市長との懇談を終えました。

市長と労組との関係がそれほど悪くはないということがなんとなくわかるような。しかし、先の島田町長(現市長)のリコール運動を行っていた「大井町の自主自立をめざす会」の笠井智仁会長とは今回の調査にも加わっている自治労連の中執だと思われるので、市長と労組との関係性がどうなのかは今ひとつわからないところでもある。
自治労の調査報告
http://www.jichiro.gr.jp/news/2006/08/060817.html
自治労連よりも一週間近く早くに埼玉県本部が訪問調査を実施している。調査内容は記事にもあるように教育委員会との質疑応答が中心で、施設管理、業務委託、入札制度などが中心だったようだ。