猪苗代〜裏磐梯

東北道に乗るまでは要所要所で渋滞もありけっこう時間かかったけれど、岩槻から高速に入るとさすがウィークディ、けっこう流れていて快適だった。佐野辺りまでは交通量も多く、だいたい100キロくらいだったけれど、宇都宮辺りからは120キロ強で走れた。途中、那須のサビースエリアで小休憩とっただけで一気に磐越道へ。猪苗代に着いたのは1時半頃だったか。
すぐに目当ての湖水浴場に行った。猪苗代の地図を見ていると何箇所か海水浴場ならぬ湖水浴場の印があった。今シーズンは娘を海に連れていくことは難しそうだったので、うまくすると水遊びができるかもしれないと密かに思っていた。それで娘の水着だけは用意しておいた。着いてみるとなかなかひなびた趣のある湖水浴場。娘に水着持ってきておけばよかったな〜などとカマかけて言うとふくれていたが、すぐに水着を出してやると大急ぎで着替えて嬉しそうに水遊びをはじめた。さすがに毎週毎週スイミングにいっているので、数メートルくらいならバタ足で泳げるようになっている。おまけにゴーグルをつけていれば、潜水もけっこう楽しそうにしている。
結局1時間半くらい水遊びをさせた。妻はその間、浜辺を杖歩行で散歩していた。私は妻に付いていたり、娘と一緒に膝まで水につかって水遊びをしたりした。最後に娘が「パパも水着持ってくればよかったね」とポツリと言った。
猪苗代湖の後は南ケ丘牧場へ行き、そこでやや遅めの昼食をとった。http://www.minamigaoka.co.jp/bandai/index.htmlボルシチペロシキというロシア料理だ。少しだけ遊んでから一路裏磐梯へ。山道もそれほど険しくなく、道も舗装が行き届いているので快適なドライブだ。裏磐梯は高原と湖沼が点在していてなかなか良い所だった。宿泊したペンションこめらはそこそこ綺麗だったし、食事も思っていた以上にうまかった。一泊7500円くらいだったから割安感もあった。オーナーは年齢不詳、50〜60くらいの白髪のオヤジだったけど、なんていうのだろうストレートな性格でいて嫌味がない。まずまずとという感じがした。風呂もうまく時間調整をしてくれて家族の貸切にしてくれ、介護椅子なども用意してくれたので、思ったほど苦労もなく妻を入浴させることができた。
翌日は美味しい朝食の後で10時少し前に宿を出た。車で近距離移動をしながら、五色沼の一つである毘沙門沼〜磐梯山3Dワールド〜磐梯山噴火記念館などを観光した。いずれも車椅子や杖での見学にもそこそこ配慮されていた。午後はグランデコのパノラマゴンドラで山頂へ行きコンビニで買ったおにぎりなんかで昼食をとった。
http://www.urabandai.com/2005/
http://www.bandaimuse.jp/
その後は桧原湖へ行き、足こぎボートで30分ばかりの湖水周遊。妻もなんとかボートに乗せて私と娘で足こぎするのだけど、まあほとんど私一人でこいでいた。妻が倒れてからというものこういう風に家族で足こぎボートとかに乗るなんて想像すらでき得なかった。障害者になったとはいえ、よくぞここまで回復したもんだとしみじみ思った。「あんたさ、とにかく良くなってよかったよ。生きてこそいれば、こうしてボート乗ったりとかも出来るんだから」と傍らの妻の耳元に囁いた。娘には多分聴こえなかったんじゃないかと思う。なんとなく思い切って旅行に来て良かったかもしれないと思い始めた。
裏磐梯のほんとうに狭いエリアをあっち行ったり、こっち行ったりして一日を終えた。障害者を連れての観光なので、もう少し行く場所を限定してゆったりしても良かったかなとも思ったが、どうしても貧乏人根性で、せっかくきたのだからできるだけいろんな場所をと思ってします。
そういえばここ裏磐梯ではちょっと面白い看板風景がある。セブンイレブンデイリーヤマザキといったコンビニの看板がいつも見慣れたものとどことなく違うのだ。赤や黄色がなくモスグリーンに統一されている。注意してみるとガソリンスタンドの看板もそうだ。おそらく条例等で周囲の自然に溶け込むよう指導されてこうなっているのだろうと推測した。でも最初は違和感があって、ええ、ここセンブンイレブンみたいな感じでやり過ごしそうになる。
http://www.pref.fukushima.jp/kitakatakensetsu/fence_masterplan.htm
夕方宿に戻り、食事、ワインを楽しんだ。