ワールドカップ熱戦譜

いよいよワールドカップが始まった。ドイツVSコスタリカは開幕戦にしては予想外といっていい大味な点の取り合い合戦だった。観ていてとても面白かったけれど、なにかドイツ大丈夫かよ、という思いがわきたった。守りに守ってカウンター一発というきわめてわかりやすい戦術のコスタリカに対して、中盤からのロングシュートがうまくきまって相手守備をこじ開けていくドイツの攻撃は素晴らしかった。けれどもあの守備はあまりにもザルだな。浅いバックラインの裏をつくカウンターをあんなにあっさり決められてしまうのだから。ワンチョベの二発、なんかわかっていてやられてしまったような印象。バックライン押し上げてオフサイド狙いも意思の疎通を欠いて一人、二人と残ってしまっているような様子だった。
まあ開幕初戦というと、よくて1-0、へたすれば互いに慎重になって0-0のドローという試合になることが多いから、4-2という面白い展開は楽しめたことは楽しめたけれど。ドイツではクローゼ、シュバインシュタイガーフリンクスなんかが注意をひいた。クローゼは前回大会時にはサウジ戦の大量得点とかはあったけれど、なにか今ひとつというかひよわな感じがしたけど、今回はまさしくエースストライカーとして君臨している。と、そんな印象さえ感じた。それにしてもこの一戦のドイツは幸運だな。ラームやフリンクスの一発なんて、狙ってうっても普通入らないだろうというようなミドルだったけれど、見事に決まっていたもの。こうゆうのがポイントになる試合ででると、とんとん拍子で勝ち上がる可能性もあるな。
イングランドVSパラグアイ戦。とにかく一番の贔屓チームであるイングランドが今大会ではタレントを揃えてきた。いったいどんなゲームをしてくれることやらという期待を持って観た。開始早々のベッカムのフリーからのオウンゴールによる得点では、良しという感じで力が入ったけれど、その後の試合展開は断然パラグアイに分があったように思う。パラグアイというチームはとにかく堅い守備で守って守って、カウンター一発みたいにして勝ち上がってきたんだと思う。フランス大会での対フランス戦を思い出す。とにかく守備がすごい。
この試合でも徐々に組織された守備でイングランドの攻撃を分断してしまった。トップのクラウチにボールが収まらない。中盤でもよせが早いためイングランドは攻撃を展開することができない。なにかバックラインからのあまり正確でないフィードで前線のクラウチを狙うけれどほとんど跳ね返され、おまけにセカンドボールをほとんど奪われるみたいな感じだった。
イングランドの中盤は、ベッカム、ジェラード、ランバードジョー・コールというタレント揃いなんだけど、なんていうのだろうどの選手も人に使われるタイプみたいな感じがしたな。ベッカムはサイドからのクロス。ジェラード、ランバードは前線への飛び出しや三列目からのミドル。ジョー・コールが唯一ドリブル突破でアクセントをつけているけれど、なんていうのだろう、展開力がないんだよな。このチームの攻撃の展開はひょっとしたら負傷欠場中の1.5列、ルーニー一人で担っていたんじゃないかとさえ思ってしまうな。ルーニーは一次予選には間に合わないだろうから不安だな。このチームでは三列目でボールを散らせる選手がいない。ジェラードとベッカムのポジションチェンジしたほうが活性化されるのではなどと漠然と思ってしまう。ベッカムな三列目からの正確なフィードに期待できるし。たぶんレアルでもそういうポジションでやっていなかったっけ。
それに対してパラグアイはとても良いゲームをしたと思う。オウンゴールは不運だったけれど、その後は自身の長所が様々に発揮されていた。中盤の底で効果的なパスをだしていたカルロス・バレデス、抜群の運動量で動き回っていたネルソン・バルデスの二人は特に目立った。もう一人のFWサンタクルスが今ひとつだったのが残念だ。彼が本調子だったら試合の結果は違ったものになったいたかもね。