ディズニーランドへいく

いよいよ連休スタート。山のような仕事をお持ち帰りしつつ、明日からは妻を三泊四日の自宅外泊させることなっているのでほとんど骨休みできそうにないなと思いつつも、一日くらい娘を思い切り遊ばせたいと思っていた。で、娘にどこへ行きたいと聞くと、間髪いれずにディズニーという。おいおい、ゴールデン・ウィークにディズニーランドは自殺行為だろうと思いつつも、ここのところずっと娘にもシビアな生活を強いてきているなという意識もあり、さらにいえばこれから妻が自宅生活になれば、介護とかのこともあり、また経済状況を含めてさらにシビアになっていくだろう様々な生活のこととかを考えて、思い切り遊ばせてやろうかとも思った。で、「パパが早起きできたら行こう」ということにしていた。
前夜は帰宅後、娘を自宅に残していきつけのラーメン屋でいつもの中生二杯、から揚げ、ポテト、味噌ラーメンの定番コースを食した。11時前に帰りそのまま寝てしまったので、今朝は気合一番5時半に起きた。6時には娘を起こし6時半には家を出るという、これまでにない早業で、休日のため8時の開園には確実に間に合うだろうと車を走らせたのだが、やっぱり甘かったね。首都高は高島平を過ぎて湾岸線への分岐あたりから渋滞になりそのままダラダラ状態。結局着いたのは8時半頃。チケット買う段階からものすごい行列で、園内に入ったのは9時をゆうに回っていた。
今回は娘と二人なので、私がいろいろと行列に並んでいる間、娘は大好きなトゥーンタウンで遊ばせておくという作戦をたてていた。これまでのパターンでは、トゥーンタウンはいつも後回しになることが多かったので、娘はここで思い切り遊んだことがなかった。とにかく、娘には携帯を持たせてここで遊ばせておき、行列がある程度まで進んだら娘を呼び戻すそうと思った。
すぐにプーのハニーハントのファストパスの行列に並んだ。印字された時間を見ると19:10分以降という。おいおい10時間後かよと驚きつつ、次にポップコーンを買うためにまた行列に並ぶ。なんでたかだかポップコーン買うために待たなきゃいけないんだと呪詛のごとくぶつぶつ言いながらも従順に並ぶ。横で社員らしきちょっと太めの女性がてきぱきと行列をうまくジグザグさせるためのロープを張っていく。その合間にもアルバイトらしき女の子たちにいろいろ指示を出したり耳につっこんであるイヤホンや携帯を使って仕事をしている。ネームプレートにはYAGIという表示。なぜか知らないが、声に出さず「頑張れYAGIさん」と呟いてみた。
並んでいる合間にも娘が頻繁に携帯で、いまこうしている、早くきてねと電話してくる。やっぱり一人では寂しいようだ。ポップコーンを購入してからトゥーンタウンに行き娘と合流してそこで昼過ぎまで遊んだ。その後はミッキのレビューショーを観る。ここは常にすいている。それでいて娘のお気に入りのところだ。ショーの間私はひたすら眠っている。12時半過ぎに次のファストパスとしてホーンテッド・マンション(15:30以降)をとる。それから30分並んでイッツ・ア・スモールワールドへ。なぜかはわからないが、我が家の場合、ディズニーランドといえば、これが定番というかこれだけは譲れないアトラクションになっている。まあ、ほとんど私の個人的な趣味でもあるのだが、なにかディズニーの原点みたいなものだと思っている。
午後になると人がすごい状態で、ファンタジーランドはただの移動ですら行列状態。まさしくゴールデン・ウィークのディズニーランドという感じだ。感覚的にだがプーのハニーハントからダンボまでの移動にゆうに10分くらいかかっているんじゃないかと思ったほどだ。今回は娘がまだ未体験のところを中心にと思っていたので、昼食も娘の希望でやっぱり行列並んでクィーンズ・オブ・ハートのバンケットホールで食べる。二人で4000円強の昼食にももう驚かないくらいの感覚マヒ状態になっていた感がある。ゴールデン・ウィークのディズニーだもの。
昼食後はファスト・パスのホーンテッド・マンションへ。入ってから6時間経過してアトラクションはまだ二つという状態。娘の希望で閉園までいたいというので、22時まで頑張っていたのだが、その後のアトラクションはというと、トゥーンタウンのミッキーの家(ミッキーと記念撮影するだけ)、回転木馬、プーのハニーハント、ミクロアドベンチャー。ほとんどの時間をファンタジーランドトゥーンタウンだけで過ごした。アトラクションを6というのは多分私のディズニー経験で最小記録だと思う。これまではなんだかんだでも10は常にクリアしてきているから。もっともパレードはすべて観ることもできたし、人が多くてもそれなりに最低限の部分はクリアできたかなとも思っている。
最後のミクロアドベンチャーを観終わったのは10時15分頃。それからみやげ物をみたりして駐車場にたどりついたのは11時を回った頃だった。それから首都高に乗るまではおきまりの閉園渋滞。首都高も何箇所か渋滞がありで家にたどり着いたのは1時をゆうに回っていて。娘はというとディズニーランドで全精力を使い果たしていたのだろう、車に乗った途端にバタンキューと寝てしまった。思い切り遊んであっという間に寝入ってしまえる子どもの遊びへの集中力みたいなものにはある種の感動さえあるなとも感じた。娘にとってはそれなりの最良の一日を楽しんでくれたのではないかと親的実感を味わえた部分もある。
しかし何とはなしに目に着いたのは、ランド内での車椅子での移動についてだ。大混雑の園内でもけっこう車椅子を見かけた。ショーなどは優先して最前列に車椅子スペースを設けていたようで、それなりの配慮はされているようだ。とはいえ今日のような大混雑の状態では車椅子はやはり無理があるようだ。パレードの直前だったか、雑踏あるいは人ごみの海の中を車椅子に乗った老夫人を介助者が押している前へ進もうとしているのを目撃した。でも、普通なら道を空けとするのにその時の人ごみは尋常じゃなかったのだろう、とにかく車椅子が通るスペースがなかなか開かなかった。私の目前で車椅子が立ち往生していたので、前を塞いでいる若い二人連れのカップルの女性の方の肩を軽くたたいて、スペースを空けるように求めた。すると娘は私と車椅子の両方を見てから再度「なにこいつ」みたいな一瞥を私に投げかけてからようやっと脇へどいた。まあそれでもどいてくれたからいいのだけど、これが現実でもあるのだなという実感がわいた。彼女の一瞥には、こんな日にこんな場所に車椅子で来るやつの気が知れないみたいな、まあ今的な表現でいえば<うざったい>感覚がありありだったように思う。バリアフリーと世に喧伝されていても、、自分が楽しむことを最優先する人々が凝縮した場、ハレとケのハレの場であるディズニーランドでは、これが真実なのかもしれないなとは率直に思えたことだ。健常者である女性からすれば、なんでこんな場所に車椅子でやってくるの、みたいな思いがありありだったようにすら思える。なかなか難しいところだ。
妻に娘と二人でディズニーランドに行くことは事前に話してあった。ディズニーは私が退院してから三人で行きたいから、この次にしたらというのが彼女のいい分でもあった。私は彼女に娘を思いきり遊ばせたいからと言い、さらには車椅子でいく場合のシュミレーションをしてくるからとも言った。今回行ってみて思ったのは、いずれ妻と娘と三人でここを訪れる時には、比較的空いているウィークディだろうなということだった。