24日の夕刊の死亡記事を読んだ。また一人20世紀の銀幕の華が鬼籍に入った。84歳。
http://www.asahi.com/culture/enews/RTR200604240064.html
http://today.reuters.co.jp/news/articlenews.aspx?type=entertainmentNews&storyid=2006-04-24T170331Z_01_NOOTR_RTRJONC_0_JAPAN-211002-1.xml
フィルモグラフィーは以下とおり。
http://www.allcinema.net/prog/show_p.php?num_p=38866
なんといっても「第三の男」のアンナ役が代表作だろう。名作中の名作。私にとってもずっとベスト1の映画の一つでもある。映画的文法というものを初めて知った映画でもある。あの有名なハリー・ライム=オーソン・ウェルズの登場シーン。何度観ても背筋がゾクゾクとなる。ミステリーの興趣を誘うやや仰角からのわざと斜め取りしたカメラ・ワーク。映画史にも残る有名な並木道のラスト・シーン。アントン・カラスのチター。アリダ・ヴァリはこの映画とともにずっと記憶され続けるのだろうと思う。
「第三の男」はすでに著作権切れになっているので低価格DVDも出ている。例のコスミックのワンコインDVDのラインナップにも入っていたはずだ。映画好きの人には一度は観てほしい映画だ。1949年製作のモノクロ映画だから全体に古びたクラシック映画であることは否定できない。それでもある意味では映画の醍醐味がすべてつまっているといっても過言ではないと思う。
アリダ・ヴァリのフィルモグラフィーを見ているとずいぶんいろいろ出ていたんだなと改めて思う。歳がいってからも美しい中年女性を演じて芸歴を広げていたんだ。ベルトリッチやパゾリーニといった巨匠の作品にもけっこう顔を連ねている。印象的なのはベルトリッチの「暗殺のオペラ」だ。銀髪のショートヘアの印象的な中年夫人役だったと思う。「ルナ」との混同もあるやもしれん。あるいはいずれも同じような役柄だったか。
「暗殺のオペラ」を観た時はかなり衝撃的で、ベルトリッチの最高傑作みたいな思いを持ったのだが、いかんせん30年近く前のことなので細部どころか大筋もよく覚えていない。不条理かつ不思議な雰囲気をもった映画だということ、アリダ・ヴァリが出ていたことを覚えているくらいか。もう一度観てみたいものだが、残念ながらDVDの再発も今のところないらしい。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=1608#UserComment
アリダ・ヴァリ、84歳。冥福を祈ります。
http://s-seki.no-blog.jp/ombramaifu/
http://soulful.at.webry.info/200604/article_11.html
http://cinema-cafe.cocolog-nifty.com/blog/2006/04/post_bd19.html