妻の状況(2/10)

 いつものように、本当にいつものように国リハに娘を連れて7時半過ぎに向かう。国リハでの日々は余すところ後4日間だ。火曜日には国際医療センターに転院することになるわけだから。妻はこれもいつものようにエレベーター前で待っている。エレベーターに乗る時に顔見知りの同じ病棟に入院する誰かの家族が声をかけてくれる。「奥さんお待ちかねですよ」
 病室にはいつものように妻の今日の予定がある。12時半の電話は妻に許された私への定期連絡。これもいつものように繰り返される。「元気?」「まあ、まあ」そんなやりとりだ。

 まもなく妻の入院から3ケ月が経過しようする。どうしようもない現実ではあるが、すでに日常化しつつあるということか。
 ボードにあるとおり、今日もPT、OTを行ったとのこと。PTは歩行訓練、OTは図形パズル。前々日とほとんど同じ内容のようだ。妻は今日も病棟廊下を10数周車椅子で回ったという。
 火曜日の転院に備えて少しずつ荷物を減らしていかなくてはならない。私物を入れる移動式のボックスの引き出し下段を空けると、紙オムツと尿取りパットが入っていた。この分を失念していて、つい最近新しく補充した分がボックス横においてある。まいったなとも思うが、妻の入院はまだまだ続くわけだからいずれは使うことになるだろう。いや自宅に帰ることになってもきっと使用するのだし。
 多分もう使わないであろう替えのパジャマとかを少し整理して持ち帰る。もちろん大量にあるオムツ類もとりあえず後4日分を残してお持ち帰りだ。
 妻から小さなメモを渡される。担当看護師からのメモで几帳面な字で1月の入院費190350円、2月分は未定というメモ。概算を聞いておくように昼の電話で妻に頼んでおいたのだが、素早い対応だ。一ヶ月でこの金額。一日当たり6140円ていう計算になる。入院医療費としては割安なほうなのだろうか。それでもやはりずっしりとくる数字だ。2月分もこの日割り額掛ける日数でおおよその目安がでそうだ。だいたい30万程度でおさまるのかなとも思った。国際医療センターでこれからだいたい三週間。手術を受けるので40万程度は必要になるだろうか。それからまた国リハに戻って一ヶ月・・・・。蓄えを食い潰していく日々でもあるわけだ。
 8時前にトイレ介助、就寝介助をして帰宅。今週はほとんど外食あるいはスーパーの惣菜系が続いている。さすがに夕食を作る気力も失せつつある。帰宅後、近所のラーメン屋に行き定番のから揚げ、ポテトフライ、中生2杯、締めにラーメン食べて11時に帰る。娘と二人すぐに寝てしまった。