介護保険申請

 その後は役場に介護申請にいく。事前に電話で何時まで受け付けてくれるかと聞くと、対応した女性は、やれ今すぐ介護サービスを受ける必要があるのかとかいろいろ聞いてくるので、転院した病院の主治医からすぐに申請するように言われているからやろうとしているのに、なんでそこまで問われる必要があるのか、今あなたにには何時まで受付してくれるのかを聞いているとちょっと言葉を荒らげてしまった。
 役場ではたぶんその女性と体面したのだが、何事もなくきわめて事務的にこちらも先方も対応。事前に介護保険の概略はレクチャーされていたから本当に手続きだけで終了。先々こちらでケアマネージャーを決めなければならないことも確認した。ここでも役所は受付のみ、あとはこちらで総てやらなくてはならないわけだ。ケアマネージャーもほとんどが認可を受けた民間施設に所属しているらしい。結局、介護保険の仕組みっていうのも自助努力が原則なんだなと認識した。行政の福祉からの撤退、国の財政状況の悪化の中で様々な民間活力の導入とかが叫ばれる潮流の中で、ここでも自己責任の原則が一人歩きしているような気がする。いっそ受付事務も民間化しちゃえばいいじゃないとはちょっとぶつぶつ。
 思えば、医師がすぐに介護保険を申請するように指示してきのは、穿った見方をすればあまり見込みのなさそうな患者だから、早いこと退院させて自宅介護させたいという部分もあるのかなとも思ってしまった。考えすぎなのかもしれないけどね。しかし一、二ヶ月のうちに今度は身障者手帳の申請とかもせざるを得ないのだろうか。
 ちょっと気持ちが荒んだ状態で病院へ行く。妻は車椅子に座ってマンガを読んでいた。二日ぶりだから劇的に良くなる兆しがあるわけでもなさそうだし、まあ普通といえば普通だ。その後、妻のリクエストで病院内をぐるぐると回って散歩。夕食を食べるのを横で介助したりして7時半前に病院を出た。
 看護師長より妻に金を持たせないように注意を受けた。なんでも金を持って車椅子でうろついてはどこかに落としたりを続けているらしい。これまでもずっと三千円程度を持たせていて、病室で見るテレビカードとかの購入用にしていたのだが、前の病院ではほとんど寝たきり状態だったからそういうことは起きなかったのだろう。今は日中は車椅子に座っているのでそういうことになるのだろう。その他にも暑がって服を脱いでしまうなどおよそ身の回りのことに気を遣わない状態にあることを説明された。これも注意力障害の一種なんだろう。