国際医療センターでの最後の一日

 明日は所沢に転院する。今日が国際医療センターでの最後の一日。とはいえ、頭蓋骨の形成手術を3ケ月後にする予定だから、また戻ってくることになるのだろうけど。
 この病院、けっこう良い病院なんだとは思う。医師は居丈高なところがなく丁寧だし、看護師もてきぱきとして気持ちが良い人たちばかりだ。ただ如何せん救急病院で、なおかつ大病院のためだろう、意思伝達が悪い。ナースステーションである看護師に伝えたことが別の看護師に伝わらない。医師に伝えて欲しいと看護師に依頼してもたいてい伝わっていない。医師も看護師も忙しくしていて、少々お待ちくださいが、延々三十分以上になることがざらだ。前日、ナーステーションからの電話で搬出業者がどこか教えてくれといわれる。で、夜間の看護師に伝える。看護師はメモをとる。なのに今日病院に行くと、別の看護師から搬出業者の件はといわれる。昨日伝えたと言うと、その場では伝達が徹底していなくてすみませんと言われる。一事が万事こんな風だ。
 こんなことがあった。病院から保護帽を作るようにいわれ、病院のだんどりで業者がきて採寸を取り、こちらには発注書とかが渡される。その時に医師からの医証があると健保から費用の7〜8割くらいの還付がある。看護師から発注書を渡されとの時に医証については医師に書いていただくのでこちらで預かりますといわれた。しかしいつまでたっても医証はもらえない。たまたま予備に一つ業者から用紙をもらっていたので、担当医に「先生、保護帽の医証は」と聞くと、「ああ、じゃあ今が書きましょう」とその場でこちらがもっていた用紙に書き出す。おいおい、それじゃ前に看護師が預かったやつはどこへ行ったんだいと心中ぶつぶつ。結局、国立というお役所の弊害なんだろうなとも思う。会う医師、看護師がいい人たちばかりだから、よけい矛盾を感じてしまう。
 妻の脳梗塞の原因もろくろく調べてもらえていなかったし、こういう組織的な弊害とかもあったし、患者の家族という立場ではあまり好感は持てなかったな。でもそれでもやっぱり病院っていうのは人なんだよな。脳外科の担当医は、真面目だし献身的でとても好感をもてた。妻を担当した救急病棟、脳神経内科病棟、脳外科病棟の看護師たちは、みんな気さくで明るく、仕事ぶりには安心感があった。この人たちがもっと動きやすいシステムが構築されればこの病院の評価はもっとあがると思う。
 今日は肌寒い一日。それでも妻の希望で病院周りを車椅子で散歩した。昨日と今日で持ってきた荷物のあらかたを持ち帰った。