ふじみ野市長選報道

 いよいよ選挙戦も本格化してきたようで、マスメディアにも選挙報道が載るようになっててきた。
http://www.saitama-np.co.jp/news11/07/02p.htm
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/saitama/news/20051107ddlk11010060000c.html
 特にウェブ埼玉では、各候補の公約のアウトラインがあったので引用します。

佐藤秀
(1)「まちづくり委員会」による公開・参加型の市政
(2)無駄な公共事業を省き、市民生活優先の市政
(3)市長報酬の大幅カット

島田行雄
(1)都市再生による実力のある市
(2)少子高齢化のサービス向上
(3)簡素で無駄のない行政
(4)安全安心なまち

堀井孝悦
(1)土地用途地域見直し
(2)調整区域住宅利用活性化
(3)市財政改革赤字脱却を図る
(4)中小企業、商店街活性化
(5)高齢者福祉など

武藤 博
(1)改革と融和、公平に新市の事業を推進
(2)合併を生かした行財政改革
(3)中学卒業までの医療費を無料に

 今日の朝日の朝刊の地方欄、埼玉〜西埼玉にも候補者の横顔として各候補が写真入りで紹介されていた。インタビューをまとめたものだと思うけど、以下のとおり。

佐藤秀人(61) 無新・共産推薦
「くらし優先」の市政
 約2200票差で敗れた2月の上福岡市長選では、若い母親など大勢から相談を受けた。以来「市政は市民のために」を目標に掲げる。
 約7年前、両親の介護で不安になっていた時、高額医療費の補助制度で約40万円が支給され、安心した経験がある。合併で入学準備金の貸し付け制度の限度額が引き下げられたことなどに「福祉が後退し始めているのでは」と心配する。
 モノレール開発や新都心につながる橋の建設など、ほかの候補者の公約については「無駄に使われている公共事業予算が市民の暮らしや福祉に向くよう流れを変えたい」という。
 「くらし優先」として東武東上線の踏切に3.5メートルの歩道をつけること、市内に循環バスを導入することなどを掲げている。

島田行雄(59) 無新
 道路網整備し産業誘致
 小学6年生のころ、昭和の大合併で旧大井村は岐路に立たされた。祖父の喜一氏は村長選で合併反対を掲げ、約30票差で当選。村は残った。
 「祖父の決断は正しかったが、今は構造改革が進む変革期。自治体のスケールを大きくしてパワフルなまちづくりを目指す」という。モノレールを引き入れて道路網を整備し、産業誘致を考えている。一方で休日夜間小児緊急医療や子育て支援にも力を入れる。
 「共通の価値観を育て旧来の地域意識をなくしたい」と、旧市長の枠にこだわらないボランティアや文化団体の活動を進めるつもりだ。
 好きな言葉は「いま命あるはありあたし」。約12年前、病気で休職中に出会った言葉だ。以来、「行政の仕事は住民の生命を大切にする」を政策の中心に据えている。

堀井孝悦氏(58) 無新
 経営感覚を市政に反映
 「ほかの候補者3人では市長選は物足らない。行政を変えて市政をやり直す」と立候補を決意した。
 31年間、建設・不動産会社を経営してきた。05年度は公共工事を1件も受注できなかった。「職員や行政のしがらみで不公平になっている。これ以上任せておけない」と話す。
 特技は「仕事」という。連日、朝4時から夜中まで働いてきた。市政に関しても「今までの苦労、培ってきた経営感覚を市政に生かしたい」という。
 約60平方メートル前後の狭い土地に建てられ、買い手がつかない住宅を多く目にしてきた。そこで用途地域を緩和し、建ぺい率、容積率の引き上げを考えている。
 また、農地を住宅や工場に転用する手続きも緩和したい、としている。

武藤 博(68) 無新
 旧市町間の融和軌道に
 趣味は夜釣り。神奈川県の相模湖で1人、船に乗る。「普段と全く違う環境に身を置くといろんな発想が浮かぶ」と話す。
 新しいアイデアの一つが東武東上線ふじみ野駅」西口につくる富士見市と共同の出張所だ。「ふじみ野市民も頻繁にこの駅を利用しており、富士見市と強力すれば便利な出張所が安くできる」と話す。
 旧大井町と合併した旧上福岡市の市長で、一時は引退も考えたが「旧市町間の融和を軌道に乗せて、2市2町の合併の道筋を作るまではやめられない」と立候補を決意した。
 地域に偏らない公平な市政を掲げる。関越道のインターチェンジ開設や新都心につながる橋の建設で市内の利便性向上を図る一方、中学生の医療無料化、障害者通所施設の設置も考えている。

 確かに大きな争点はない。また佐藤候補が批判する無駄な公共事業としてあげているモノレール開発が島田候補の公約、新都心につながる荒川への橋建設が武藤候補の公約らしく、それへの批判になっている。こうしたバラ色の公約には財源の裏づけがないだけに絵に描いたモチという印象もある。しかもこうした大規模な公共事業や例えば武藤候補が掲げるインターチェンジ開設なども一自治体だけでどうにかなる事業ではない。
 しかし一方で首長は市民に対して市の将来像を提示する必要もある。現実的な具体的政策だけではなくバラ色の将来も必要だとは思う。島田候補のいう産業誘致は新市の財源確保のためにも必要なことだろう。モノレールは実現性については??という感じがするが、埼玉は東西の連絡が武蔵野線川越線など限られているだけに、もし所沢〜ふじみ野〜新都心〜柏までの交通網が実現すれば画期的なことだとは思う。ただしある程度の根拠、実現性の道筋がなければとも思うけど。
 堀井候補は、公共事業の受注がなかったことで、これ以上まかせておけないということを立候補の動機にあげているが、これはマイナスだという気もする。もし彼が市町になって彼の会社なり関連会社に公共事業が発注されたら、これはこれでとんでもないことだからだ。ただし公約に掲げる土地用途地域見直しや調整区域住宅利用活性化はふじみ野駅周辺、大井町区画整理地内などではかなり有効な政策になってくるとも思う。ふじみ野周辺は住宅地の合間に畑が点在しているし、以前不動産業者に聞いた話だが区画整理地内では40坪以下の住宅建設や販売がしにくいという話を聞いたこともある。
 佐藤候補は支援団体の活動が一番活発で、「いかす会ニュース」というビラがかなりの頻度でポストインされているが、武藤候補、島田候補のこれまでの市長、町長として実績へ批判や公約への批判が多くネガティブ・キャンペーンに終始している感がある。それ以外の個々の公約では商店街の復活、市長室を1階に移しガラス張りにする、市長専用公用車の廃止、市長の報酬の減額など、あまり夢を感じさせない部分や全体として上福岡を念頭においたような部分もあるように思った。ただし、共産党の推薦を受けているだけに福祉を優先させる姿勢は一番強く打ち出されている。現在すすめられている小泉構造改革の元での福祉切捨て、負担増の嵐という状況下では、福祉優先の政策は好感をもてる部分もある。残念ながら財源部分の裏づけが、他候補者の公共事業と同様今ひとつはっきりしていないとは思うが。
 もう一つ重要な点がある。新市の名称がふじみ野市というふじみ野駅にちなんでいる以上、ふじみ野駅が所在する最も近隣の富士見市との合併について俎上に載せるべきだと思うのだが、どうだろう。今回の一市一町の合併については手続きに大きな瑕疵があったと私は思っている。武藤氏にしろ島田氏にしろ、前回の市長選、町長選においてそれを公約として掲げていなかった。そのうえで住民投票といった民意を問うことなく、合併特例債の期限に間に合わせることだけを目的に合併を急いだという事実だ。だからこそ島田氏は1万2千近くのリコール署名を受け、失職寸前まで追いやられたのだから。
 旧大井町の住民にしろ旧上福岡市の住民にしろ、合併自体に反対しているわけではなかったと思う。しかし住民アンケートで決まったというふじみ野市という名称にもあるように、その合併は決して一市一町ではなく、近隣の富士見市との合併ということが念頭にあったのではないかと思うのだが、どうだろう。
 だからこそ今回の市長選にあっても、4人の候補者のうち一人でも近隣自治体との合併を念頭に置いた公約を掲げてもしかるべではないかと私は思うのだ。もし武藤候補なり、島田候補なりが、今回の合併は、合併特例債の手続き上、やや性急過ぎる形で進めた部分がある。その中で住民投票等の民意を問うことができなかったことを真摯にお詫びする。しかし現在進みつつある三位一体の構造改革など自治体をめぐる環境の中では、自治体運営を行って行くうえでは、合併をすすめスケールアップせざるを得ない。今後も近隣自治体との合併を模索、推進していくといった形で、例えばかって頓挫した二市二町合併を段階的すすめるといった公約を打ち出してくれれば、私はその候補を支持するのだが。それはもちろん佐藤候補であれ堀井候補であれ、同様なのだが。
 なお各候補の支援団体は以下のとおり。

 住民の声を市政に生かす会
 ふじみ野市上福岡5-9-24
 049-262-8452

  • 島田行雄候補

 新しいふじみ野市をつくる市民の会
 ふじみ野市鶴ヶ舞1-1-5
 090-4415-5198

  • 武藤博候補

 住みよい街をつくる会

 ここでも堀井候補の情報がなく記述できません。誰か教えてくれないかな。堀井建設に電話すれば教えてくれるかもしれないな。なお、ふじみ野市長選挙用・法定ビラとしては。おそらく島田候補のものと思われる法定ビラ1号「もっとパワフルな市へ若いリーダーが10万年を創る」、たぶん武藤候補のものとom思われる法定ビラ2号「市長の実績 市長の経験 そして実行力 市長はやっぱりこの人で!」が発行されています。いずれもカラー印刷でそこそこ金がかかってそうなパンフレットで、ポストインされていた。各支援団体に連絡をすれば入手可能なようだ。佐藤候補と堀井候補の法定ビラも発行されているのだろうか?