『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』

 これも未見の映画。DVDでようやく観ました。公開当時かなり話題になったのになんで観なかったんだろう。『ゴッド・ファーザー』にしろギャングものが今ひとつ興味がなかった。とても長い映画だったので敬遠した(実際229分は長い)。主題歌の「アマポーラ」をジュリーが歌っていた。まあそんなところかな。なんとなく縁がないままきちゃったていうところかな。
 で、感想はというと、やっぱり長かった。けっこう辛かったです。映画としてはユダヤ系マフィアサーガみたいな、ちょっと叙事詩ぽく、しかも過去と現在が交互している作品。デ・ニーロはうーんと唸りたくなるようにうまいし、重厚な作りだし、いい映画だとは思う。でも、如何せん長い・・・・。
 あと、ユダヤ系マフィアなのに、なんでデ・ニーロなのっていうところがある。彼はイタリア系だろう。監督セルジオ・レオーネ、音楽エンニオ・モリコーネだろう、もろイタリアンじゃないっていう感じ。実際、舞台はニューヨークのユダヤ人街で、ラビみたいな髭のおっさんが闊歩しているんだけど、主要人物達はなんとなくイタリー系みたいな感じがする。デ・ニーロでマフィア映画作ったから、どうしても『ゴッド・ファーザーPARTⅡ』の印象引きずってしまうんじゃないかな。
 じゃあ、誰で撮ればよかったのかな。ユダヤ系の役者っていうと、・・・ウっ、ウッディ・アレン!って、それじゃおちゃらかになってしまう。女優だったらバーブラ・ストライザンドとか。なんか閉まりの悪いミュージカルになっちまうな〜。
 なんにしろこの映画にはジューイッシュな雰囲気があんまり感じられないんだよな。もっと東欧っぽい色だすべきだったんだろうな。ストーリー的には禁酒法時代と1960年代を交互に描いているんだけど、1930年代だけでなく1940年代も少し描けばよかったんじゃないかな。そうすればイスラエルのこととかもなんとなく背景描写としてあったりして、ジューな雰囲気でたんじゃないだろうか、などと頓珍漢な思いが巡ってくる。
 最後にこの映画、公開当時、ラストに大どんでん返しがあると喧伝された。そんな先入観を持って観てみると、なんとなくすげえ早い段階でネタバレみたいに先が読めたな。私的には裏切りで死んだ三人のギャングの誰かは絶対死んではいないみたいな確信がけっこうあったもんな。だからラストのネタは全然意外でもなんでもなかった。
 いい映画だとは思う。でももう一度観るのは、ちょっと時間置いていいかな。多分10年くらい。一生の間にもう一回くらい観れればいいかな〜という作品でした。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ 完全版 [DVD]