『JAWS』

 '70年代の好きな映画っていうと、やっぱりスピルバーグとかルーカスものが多くなる。今は巨匠と化した彼らの台頭もまたこの時代からだった。『JAWS』はスピルバーグのメジャー2作目にあたるヒット作。巨大人食い鮫に襲われた海水浴場と鮫退治のために立ち向かう警察署長、漁師、海洋学者の三人組のお話。本当によくできたスペクタルだな。映画の途中まで姿を現さないまま人を襲い続ける鮫の描き方は、スピルバーグの第一作『激突』の巨大トレーラーと同様の描き方だな。あの巨大トレーラーのドライバーは最後まで姿を見せなかったけど。
 三人組では海洋学者をやったリチャード・ドレファスが一番印象的だな。『アメリカン・グラフティ』の主役に抜擢された時からいい役者だなと思っていたけど、とにかくユーモアがあっていいんだな。その後も『未知との遭遇』とか『オールウェイズ』とかスピルバーグものでも主役に抜擢されているし、けっこうスピルバーグとの相性もいいと思う。最近はトム・ハンクスが主役をやることが多いみたいだけど、ドレファスのほうが全然良いと思う。 警察署長役のロイ・シャイダーもけっこう好きな俳優。彼はほんとうに警官役とかがはまるな。そしてロバート・ショー、シャーク・ハンターの漁師役だけど、今観かえすと演技が少々臭いな。彼の場合『007ロシアより愛をこめて』のKGBのスパイ役の印象が強い。ああいうクールな役のほうが凄みがあって良かったかな。
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