みんな頑張っているね、歌姫たち

 サイトくぐっていると、好きだった'70〜’80年代の女性ヴォーカリストたちが現在も変わらず活躍しているのがわかってなんか嬉しい。
山本潤子
http://www.omgnet.co.jp/junko_yamamoto.htm
大貫妙子
http://www.toshiba-emi.co.jp/onuki/
EPO
http://www.eponica.net/
吉田美奈子
http://www.la-la-bells.com/
矢野顕子
http://www.akikoyano.com/index_j.html
 それぞれの今が瞬時にわかること、このへんがITの一番良いところでもあるなあ。で、思いつき雑感をいくつか。
 矢野顕子を初めて聴いた時、彼女の歌もすごかったけど、ピアノにぶっとんだな。マッコイ・ターナーみたい!硬質だけど重くて、黒っぽい。まさしくすげえ天才が出てきたもんだと思ったもんだな。坂本龍一がライトで美しい音色、ECM系の音みたいだとすると(勝手にそう思っているだけ)、その対極に位置する。ちょっと強引にいえば、坂本=トリスターノ系、矢野=パウェル系みたいな。
 EPO。彼女は確か葉山在住だったはず。現在はミュージシャンかつセラピストみたいな、なんか湘南文化人ぽくなっているような気がする。そういや10数年前に湘南のミニコミ出版に数ヶ月在籍したことがあったんだけど、当時EPOのインタビュー載せたことあるんだよ。セッティングとかに多少関わったはずなんだが、ほとんど記憶がないのはどういうことだろう。あの頃は公私とも恐ろしく余裕がなかった時期だったからかな。
 吉田美奈子のアルバムで、今持っているのは『MONSTERS IN TOWN』(1981年)、『EXTREME BEAUTY 』(1995年)、『KEY』(1996年)の3枚。どれもカッコイね。吉田美奈子って、歌もちろんうまいけど、トータルな彼女のイメージはなんか凛としたカッコヨサなんだよな。一番好きだったアルバム『TWILIGHT ZONE 』(1977年)を無くしてしまったのが悲しい。これって今でも手に入るんだろうか。
 山本潤子のサイトでは、彼女の自筆による自分史が連載されている。これがなんかとてもほのぼのとしていて良い。昭和30年代に少女時代を過ごした人の生活史風というか妙に素人ぽい雰囲気。掲載されている写真もモノクロでほんと”1000万人の昭和史”みたいだ。子どもの頃の山本潤子の写真でもきちんと今の面影があるだよね。真面目で控えめな娘さんだったんだろうなと想像できます。初めて買ったレコードが『サウンド・オブ・ミュージック』のサントラだとかいうのは私ともシンクロするな。面白かったのはビートルズを中学生の時に初めて聞いて新しいサウンドと思ったけどレコードを買ったりしなかった(つまりのめり込まなかった)という件。このへんに彼女の音楽の志向性がなんとなく出ているのかななどとも思ったりもした。
 不定期でアップしているみたいだけど、これから高校時代や赤い鳥の頃のこととかにも言及されていくんだろうから、ぜひ読んでみたい。ある程度まとまったら、もう少し膨らませれば本に出来そうな気がするな。ネタ探している編集者、「そこんとこ要チェックね」。
 彼女くらいのキャリアがあると自伝も面白いものになりそうな気がする。単なる一ミュージシャンの楽屋ネタみたいなものじゃなくて、もっとミュージック・シーンを生きた一女性の自分史みたいな形で膨らませたほうがいけそうな気がするんだけどな。