昨日の続き、『太陽を盗んだ男』〜ジュリー

 『太陽を盗んだ男』は日本映画史上画期的な作品だったと思う。そして主人公を演じた沢田研二=ジュリーのこと。彼は当時のスーパースターだったと思う。30歳を少し過ぎた頃だったか。なんたってパラシュート背負いながら歌ってさまになる奴なんて、彼以外にいなかったんだから。かって矢作俊彦がエッセイの中でこんなギャグを飛ばしていた。ジョン・レノンの訃報に接した彼は友人にこう言った。「大丈夫、俺達にはまだジュリーがいる」
 ジョークではある。でもジョークとはいえ、ジュリーは当時俎上にのるだけのヒーローでもあったんだと思う。彼の当時のカッコよさは、今的にいえば木村拓也みたいといえば、ある種の説得力があるんじゃないかな。そうもし今『太陽を盗んだ男』をリメイクするとしたら、主人公木戸を演じるのはキムタク以外には考えられない。彼なら『勝手にしやがれ』からはじまる破滅的なヒーローの系譜を演じられそうな気がするな。