ガンだったんだね。55歳、早すぎる死だ。人気力士として親しまれ、親方としては二人の息子を横綱にし、多くの力士を育てた。ある意味順風満帆な人生を送った人のはずだが、晩年は妻に去られ、病魔に冒されての死。哀しいね、年齢的にも団塊の世代のヒーローだったはずだが、晩年を見ると別の意味で団塊世代を象徴しているような気もしてならない。
ある意味、力士としての私のヒーローの一人だった。もともと小兵力士が好きだった。彼の出現以前でいえば、藤の川とかが好きな力士だった。大型力士に対して善戦しながら最後に敗れる。悲劇のヒーローみたいなイメージだな。
大関在位50場所を越え優勝二回を数えるも、ついに頂点の横綱に手が届かなかった。親方としては多くの実績を残したけど、角界の頂点としての理事長職になることはなかった。実直な性格のため政治力や権謀術数とはほど遠いタイプだったんだろうな。
また一人時代を駆け抜けたヒーローが消えていく。そして昭和がまた一つ遠のいていく。
