モニカ・セッテルンドが死んだ

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/fu/news/20050514k0000e060048000c.html 
 先日、新聞の片隅に載っていた。スウェーデンジャズ・シンガーで女優としても活躍した人。といっても私もほとんど知らない。唯一、ビル・エヴァンスと協演した1枚のアルバム『ワルツ・フォー・デビー(モニカのワルツ』で知られる人。以前に図書館で見つけて妙に俗っぽいジャケットとビル・エヴァンスの文字でとりあえず好奇心で借りてきて焼きました。今、それをしんみり聴いている。
 ちょっと素人ぽい歌声。エヴァンスのバッキングだけが総てのアルバムだなという印象。なにか昔流行った阿川泰子あたりを連想させるな〜。美人でそこそこ歌がうまくて、みたいな。なんでエヴァンスが協演したんだろう。なんでもヨーロッパ公演でスウェーデンを訪れた際の録音だとか。やっぱり美人だからかな、エヴァンスもその気になったんだろうか。なんかエヴァンスって、どうもゲイっぽいイメージがあるんだが、どうなんだろうね。あの神経質そうな容貌と繊細なピアノはなにかゲイ的というか中性的なものを連想させられるんだけど。
 それとこのアルバムのボーナス・トラックにはご愛嬌なんだろうな、エヴァンスが鼻歌ぽく『サンタが街にやってくる』を歌っている。これはとても珍しいし、それだけでもけっこう価値ある珍盤でもある。全体としてはスタンダード・ナンバー中心でそこそこ雰囲気もあるし、繰り返しになるけどエヴァンスのバッキングはグッドだし、良いアルバムだと思う。
 67歳、自宅マンションの火災で死んだという。一説には寝タバコとも。こうやって日々、二十世紀後半を賑わしたアーティスト、著名人の訃報に接していく。追憶の彼方としての二十世ということなんだろう。
tomzt2005-05-18