ジミー・スミス

 ジミー・スミスの『ハウス・パーティ』を聴いている。ブルーノート1500番台、4000番台の売れっ子。ジャズオルガンの先駆者にしてファンキーかつブルージーな好演で知られる人。僕の場合、ヴァーブ盤の『キャット』から入ったんだが、ブルーノートのこの『ハウス・パーティ』と『サーモン』の二枚は本当に名盤だと思う。特にお気に入りなのは2曲目の「ラバー・マン」。ルー・ドナルドソンのアルトが素晴らしい。名曲「ラバー・マン」は幾多の名演、好演があるわけだけど、僕の中ではこのルーさんの演奏はたぶん一番好きかもしれないな。正調パーカー風に吹きまくるルーさんのアルトは、なんか一世一代の好演っていう感じがする。そしてバッキンングのジミー・スミスのオルガンが本当に良い味を出している。アーシーというよりはやっぱりブルージーなんだな。なかなか言葉で伝えることが難しい感覚的な部分ではあるけど、ポップ・ミュージックやダンス・ミュージックとは質の異にするソウルを感じるわけなんだな。
 と、そんなことを思いつつジミー・スミスって、もう幾つぐらいになるんだろうと、ちょっとネットで調べてみたら、もう故人になっていた。それも今年の2月に他界したんだということだ。享年79歳。ジャズメンとしては長生きの部類に入るんだろうな。でも、考えたみればそれはそれで当たり前のことなのかもしれないな。今、僕が聴いているのは50年近く前の演奏なわけなんだから。三ヶ月遅れだけど冥福を祈ります。
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ハウス・パーティ